就職率が過去最高レベルに達している就活市場。「売り手市場」の中、各企業はどの大学から採用をしているのか。
24年はどうなった?
総合商社はリスク管理の強化や事業ポートフォリオの見直しによって、かつてのような巨額損失の発生リスクも抑えられており、経営基盤は盤石といえる。
2024年3月期の5大総合商社の当期純利益は、伊藤忠商事のみが微増し、三菱商事、三井物産、住友商事、丸紅の4社は減益となった。25年3月期の業績予想では、増益と減益で各社の明暗が分かれる見通しだが、数年前と比較すると、依然として高い利益水準を維持している。
23年の5大総合商社の採用大学ランキングでは、全社で慶應義塾大学が1位を独占、強さを見せつけた。2位は三菱商事、伊藤忠商事、丸紅が早稲田大学で、三井物産と住友商事が東京大学、3位は三菱商事と丸紅が東京大学で、伊藤忠商事が大阪大学、三井物産が早稲田大学、住友商事が京都大学だった。
24年のランキングでは、こうした傾向に変化があったのだろうか。
上位は早慶、東大の三つどもえの様相に
24年の5大総合商社ランキングでは変化が見られた。三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅の4社では慶應義塾大学が1位を占めたが、三菱商事では早稲田大学が1位を奪取したからだ。
また、23年は三井物産と住友商事の2位が東京大学だったが、24年は住友商事において早稲田大学が2位に浮上、東京大学は3位となった。
早稲田大学の「稲門会」、慶應義塾大学の「三田会」といった卒業生組織は、就職活動において大きな影響力を持つ。
5大総合商社における採用実績では、慶應義塾大学が合計122人で最多となったが、23年より3人減少した。これに対し、早稲田大学は17人増加して合計96人と健闘している。
東京大学からの就職者数は70人で、23年と同数だった。最も多くの東大生を採用したのは三菱商事と三井物産で、それぞれ21人で並んでいる。
5大総合商社の上位校は、まさに早稲田大学、慶應義塾大学、東京大学による三つどもえの様相を呈している。
*この記事は、株式会社大学通信の提供データを基に作成しています。