近年の就活市場は「売り手市場」と呼ばれ、就職率が過去最高レベルに達しており、就活の早期化も進んでいる。そんな中で就活をした主要大学の学生は、どのような企業・団体を選んだのか。
2023年は慶應義塾がトップ
24年はどうなった?
「都の西北」早稲田大学、「陸の王者」慶應義塾大学は、日本の私立大学を代表する存在として並び称されている。就職活動においても、両校は圧倒的な強さを誇っている。強固な卒業生ネットワークが存在し、政財界をはじめとするあらゆる分野に太い人脈を築いている。
これらのOB・OGネットワークは、就職活動において後輩たちを強力に後押しする仕組みとなっており、実際に多くの学生がこのネットワークを活用して大手企業への就職を果たしている。
2023年の慶應義塾大学の「就職先企業・団体」ランキングを振り返ると、23年のランキングトップ3は、1位が慶應義塾、2位がアクセンチュア、3位が楽天グループとなり、慶應義塾は2年連続トップだった。
24年のランキングでは、こうした傾向に変化があったのだろうか。
二大人気軸は
コンサルティングと金融
24年のランキングは、前回16位から急浮上したベイカレント・コンサルティングが1位、2位がアクセンチュア、3位が慶應義塾、4位がデロイト トーマツ コンサルティング、5位が三井住友銀行となった。
大手ファームが上位に集中し、コンサルティング業界が圧倒的な存在感を示している。プロジェクトベースの働き方、成長スピードの速さ、年収水準の高さなどが、挑戦志向の学生に響いていると考えられる。
三井住友銀行など、金融業界の強さも健在だ。
なお、慶應義塾大学の就職・進路データによれば、慶應義塾で最も多いのは看護医療学部の69人で、薬学部からも7人が採用されている。このことから、慶應義塾大学病院関連の就職が多いと考えられる。
全体として、コンサルティング、金融を軸にしつつも多様な業界への関心が広がっており、「高成長×安定志向」という二極の価値観が併存していることが読み取れる。
*この記事は、株式会社大学通信の提供データを基に作成しています。
【ランキング表の見方】
2024年春の大学別の主な就職先。上位5位以内の企業・団体を掲載。就職先名称は原則としてアンケート調査時点の各大学の回答による。大学により、一部の学部・研究科、大学院修了者を含まない場合がある(調査/大学通信)