就職率が過去最高レベルに達している就活市場。「売り手市場」の中、各企業はどの大学から採用をしているのか。

業界別・企業別に2024年「採用大学」ランキングを作成した。今回は野村證券、大和証券の2大証券会社のランキングをお届けする。(文/ダイヤモンド・ライフ編集部、データ提供/大学通信)



2023年は慶應が2社でトップ
24年はどうなった?



 証券業界では、富裕層向けのプライベートバンキングやプライベートエクイティ商品への注目が高まり、従来の上場株式や投信に代わる新たな収益源として期待されている。背景には手数料の低下と、富裕層のニーズ多様化がある。プライベートバンカーには金融知識だけでなく、哲学や芸術など教養力も求められ、長期的視点での人材育成がカギとされている。



 ネット証券や独立系証券では、新規事業への投資が活発だ。医療分野など非金融領域にも進出したり、地方拠点から有力人材を集めて成功を収めたりする証券会社も出てきた。



 2023年の2大証券会社の「採用大学」ランキングでは、野村證券、大和証券ともに1位は慶應義塾大学だった。



 24年のランキングでは、こうした傾向に変化があったのだろうか。



2大証券会社「採用大学」ランキング2024!トップを争う2強の大学は?
図表:野村證券、大和証券「採用大学」ランキング2024


【ランキング表の見方】
医科・歯科の単科大等を除く全国757大学に2024年春の就職状況を調査。561大学から得た回答を基にランキングを作成した。就職者数にグループ企業を含む場合がある。大学により、一部の学部・研究科、大学院修了者を含まない場合がある(調査/大学通信)



早慶2強がトップを争う
求められる人材像は?



 野村證券の24年のランキングでは、慶應義塾大学(49人)と早稲田大学(27人)が他大学を大きく引き離して上位を占めている。

例年通りとも言える傾向だが、慶應義塾大学は前年より21人増えた。



 慶應義塾大学は、研究成果の事業化を目的としたベンチャー企業の育成に力を入れており、野村ホールディングス(野村證券の親会社)と共同でベンチャーキャピタルを設立するなど、さまざまな産学連携の取り組みがある。同社が求める人材像(高いコミュニケーション力・地頭の良さ・営業適性)に、早慶の学生が合致していることが背景にあると見られる。



 大和証券は、早稲田大学(41人)が1位、慶應義塾大学(36人)が2位で野村證券と同様にツートップを占めた。早稲田大学と大和証券グループは産学連携協定を締結し、人材育成やカーボンニュートラル実現に向けた教育・研究・起業支援などで協力し、持続可能な社会の実現を目指すなど関係が深い。



 中央大学と関西学院大学が3位で並び、東西の有名私大の存在感も大きい。



*この記事は、株式会社大学通信の提供データを基に作成しています。

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