先月末、兵庫県内で走るあるバスのナンバープレートがニュースになった。医療センターへ直通で向かうバス車両のうち13台のナンバープレートが「42」で始まり、苦情が相次いだのだという。
約6割が「気にしない」
ヤフーの意識調査では、この件に関してアンケートを実施。「不吉な数字、気にする?」には、9月1日正午時点で7万9008人が投票している(調査期間は8月23日~9月2日・男女比は約78%対22%)。
9月1日正午時点での途中経過を見ると、「気にする」を選んだ人が40%、「気にしない」が60%と、「気にしない」人が多い結果に。一方で、「気にする」人も少なくはなく、不吉なものを連想させる言葉や数字に対して、ある程度拒否感を持っている人が一定数いることがわかる。
駐車場や病院などでは「4」「9」といった番号は使われないことがある。また、航空機や列車では大事故を起こした便名・列車番号を欠番とすることがある。こういった「忌み数」の文化は日本だけではない。「13」を嫌う国が多いのは広く知られている。
とはいえ、科学技術の進歩が目覚ましい現代。効率化、合理的であることが求められる世の中で、「迷信」とも言えるような忌み数を「気にすることではない」「気にしないほうがいい」と判断する人が多いのも頷ける。バスの件では、ナンバープレートの番号を変えるのには費用がかかるため、市の担当者が「費用対効果も考える必要があり、判断が難しい」と話しているという報道もあった。
「気にしてたら暗い人生になっちゃう」
アンケートへ寄せられたコメントを見てみよう。コメントを書き込んでいる人は、どちらかというと「気にしない」派が多いように見える。また、自分や近しい人の例を紹介している人も多い(引用したコメントは全て原文ママ)。
「私の前のキャンピングカーのナンバーは{49-49}を指定してもらいました。そんなことで不幸やら不吉な感じがするのなら、この世を生きていけないよ」
「みんなは気にしないでしょう。気にする人もなかにはいる→そういう人の一部がクレームをする→対応するの面倒いから特定の文字を使うのやめる。って流れでしょうね」
「俺の誕生日は9月4日だから、数字なんか気にしてたら、暗い人生になっちゃう。『苦を知り喜ぶ』と解釈してる」
「『4』→幸せ、『9』→Cute、『49』→良くなる。これくらいの認識で十分」
「車のナンバーが『4287』(死に花)ですが気にしてません」
一方、「気にする」派や、「気にする」に近い気持ちの人から、と推測されるコメントは次のようなもの。
「気にします。影響なくても(笑)」
「不吉か不吉じゃないかより、見て嫌な気分になるかどうかではないの?」
「気にしない」派のコメントは、「こんなもんで何を気にすんの?」など、気にすることについて憤りを感じているように見えるような感想も見られた。
とはいえ、自分の場合は「気にしない」という人でも、人のお見舞いにわざわざ「シクラメン(死・苦を連想させると言われる)」や「鉢植え(根を張ることから『寝付く』を連想させると言われる)」を選ぶという人はなかなかいないだろう。
コメント欄では気にしない派のコメントへ向けて「高齢者や弱者は若い方が気が付かないような小さなことに気が付き、心折られるのです。小さな事に気を配って共感するのが福祉の考え方で大切なことです」とあった。確かに、個人が信じる・信じないは自由だが、他人の考えを無遠慮に否定し「信じるな」「信じる方がおかしい」と強く言うのもそれはそれで偏屈に感じる(コメントにあるように『高齢者・弱者』と『若い方』を対比させるのも単純ではないかとは感じるが)。あなたの家族が「忌み数字」を気にしていたら、あなたは何と言うだろうか?
(プレスラボ 小川たまか)