2023年11月、Amazonの異色スーパーヒーロードラマ『ザ・ボーイズ』の新たなスピンオフ『The Boys: Mexico(原題)』の企画が報じられたが、進捗状況はどうなっているのだろうか? 本家シリーズでクリエイターを務めるエリック・クリプキが明かしている。

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マーベルの二の舞にはしたくない

メキシコ版は、コメディドラマ『モーツァルト・イン・ザ・ジャングル』に主演し、『オールド』など映画界でも活躍するガエル・ガルシア・ベルナルと、『キャシアン・アンドー』『ナルコス:メキシコ編』でおなじみのディエゴ・ルナという、メキシコを代表する二大俳優が製作総指揮を務める期待作だ。

米Entertainment Weeklyのインタビューに応じたクリプキが、メキシコ版の進行状況について次のように語っている。「まだスタジオは、パイロット版の脚本家と契約を結んでいるところです。彼(脚本家)のアイデアが素晴らしくて、それが実現できたらどれほど面白いだろうと、含み笑いが止まらないぐらいです。だけど、この番組が実現するまでには多くのハードルがあります。彼は最高のパイロット版を執筆しなくちゃいけないし、おそらく第2話の出来も期待されるでしょう。彼はやれると思うし、期待に応えてくれるでしょうが、イースターエッグや前準備などを本格的に開始するには、まだしばらく時間がかかるでしょうね」

だが、クリプキにとって最大のハードルは“いつ取りかかれるか”ではなく、本家シリーズの存在がなくても自立できるほど、スピンオフに高いクオリティがあるかどうかだという。「僕は人々に、“この番組を理解するためにはほかの番組を観ないといけない”と感じてほしくないんです。宿題や、視聴を強制されているように感じてほしくありません。そういう方針はある意味でマーベルにダメージを与えたと思うし、そんなことはしたくないんです」と、マーベルを例に出して説明した。

クリプキが言及したように、現在マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)は低迷している。MCUでは、映画とドラマシリーズのストーリーとキャラクターが深く繋がっているため、作品のほとんどを観ていないと細かい関係が理解できず、どうしても視聴者のハードルが高くなってしまう。ここ近年は「マーベル疲れ」とまで揶揄され、映画の興行成績もDisney+(ディズニープラス)の視聴率も伸び悩んでいる。

クリプキは、「両方の番組を観てほしいし、(両方観ていれば)物語が生まれた背景の一部を理解できるから両番組の楽しみと体験が広がるけど、強制ではありません」と繰り返した。

メキシコ版のほか、『ザ・ボーイズ』ユニバースではスーパーヒーローのための大学を舞台にした『ジェン・ブイ』が誕生しており、こちらはすでにシーズン2へ更新されている。『The Boys: Mexico』のデビューまではもう少し時間がかかりそうだが、本家となる『ザ・ボーイズ』シーズン4は、Amazon Prime Video(アマゾンプライム)にて6月13日(木)より配信スタート。(海外ドラマNAVI)

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参考元:米Entertainment Weekly