2021年にデビューした現行型GR86/BRZ。トヨタとスバルが共同で開発したFRスポーツカーの2代目だ。
今回の改良の目立は、なんといってもMT車にアイサイトが搭載されたこと。アイサイトを開発しているスバルが2023年6月に公表していたもので、ついに正式発表となった。BRZにはもちろん、GR86も標準装備。
【画像】GR86には特別仕様車、BRZにはSTIスポーツを設定
MT車として初採用となるアイサイト。これは、アイサイトの高い衝突回避、衝突被害軽減、運転不可軽減の各性能をMT車の特性に合わせて作り込んだもので、「リアルワールドの幅広いシーンで安定した動作を実現、運転する愉しさと安心を高い次元で両立」とスバルは説明している。
参考記事:MT+アイサイトの機能に関して
GR86とBRZは、見た目のみならず足まわりの構造をあえて差別化するなど、それぞれの個性を際立たせている。今回のMT+アイサイトの制御にも違いがあるのかGR/スバル両広報部に確認すると、いずれも「違いはありません」とのことだ。
そのほかの改良点については下記のとおり。
■GR86
・ステアリングにハンズフリースイッチを標準装備、走行中のハンズフリー通話に対応
・ブラインドスポットモニターをSZグレードに追加オプション設定、RZグレードは標準装備
・VSC制御最適化によるコーナリング時の走行安定性・安全性能向上
・ブレンボ製ベンチレーテッドディスクブレーキ(SZグレード以上にオプション設定)
・ザックス(ZF)ダンパー(SZグレード以上にオプション設定)
・電子スロットル出力特性の変更によるコントロール性の向上
※GR86はその祖であるAE86生誕40周年を記念し、特別仕様車も設定〈別記事で紹介〉
■BRZ
・VDC制御を最適化
・17インチタイヤ(Rグレード装着)に新パターンタイヤを採用
※BRZは新グレード「STIスポーツ」を設定〈別記事で紹介〉
いずれのモデルも、9月24日富士スピードウェイで開催される「FUJI 86/BRZ STYLE 2023」に展示される。
価格は、下記のとおり。
■GR86
特別仕様車RZ”40th アニバーサリーリミテッド” 6速MT:382万2000 6速AT:392万円
RZグレード 6速MT:347万6000円 6速AT:357万4000円
SZグレード 6速MT:315万3000円 6速AT:325万1000円
RCグレード 6速MT:291万6000円
■BRZ
STIスポーツ グレード 6速MT:376万2000円 6速AT:381万7000円
Sグレード 6速MT:348万7000円 6速AT:354万2000円
Rグレード 6速MT:330万円 6速AT:335万5000円
なお、両車に設定のあったモータースポーツベース車「カップカー ベーシック」に関しては、現時点でアナウンスはない。スバル広報部に聞けば「廃止ではありません」とのこと。
カップカー ベーシックはロールケージや空冷式エンジンオイルクーラーなどを追加装備するグレードで、6速MTのみ。まさにGR86/BRZカップなどに参戦するためのモデルだが、今回の改良でMT車にアイサイトが標準装備になったということは…一部改良後のカップカー ベーシックにもアイサイトが搭載されるだろう。追ってアナウンスがあるはずだ。
〈文=ドライバーWeb編集部〉