忙しい朝などに、シリアルは手軽でバランスよく栄養をとれる便利なアイテム。

だが、先日、ケロッグの「コーンフロスティ」を食べていて、はたと気がついたことがある。

栄養素名と栄養量が記されたグラフにおいて、いちばん上に掲げられた項目「カルシウム」が、よく見ると、栄養量0%となっているのだ。

「牛乳200gをかけたときの栄養量」は「221mg 32%」とあるけど、ケロッグそのものにはカルシウムがなかったなんて!!

気になって、友人からもらった海外土産のケロッグ「FROOT LOOPS」の箱を見てみると、ここにも「Calcium 0%」と清々しいまでに書かれている。
スナック菓子のようにポリポリ食べることを希望し、かけた牛乳を残そうとするわが子に「牛乳まで飲んで栄養だよ!」と口うるさく言ってきたものだが、これは案外正解だったのか。
大前提として、「よく読めよ!」ということではあるのだけど、「シリアル=カルシウム入り」という思い込みがあっただけに、驚きではある。

なぜあえてカルシウムを入れていないのか。カルシウムをとりすぎたら問題があったりするもの? 日本ケロッグ株式会社お客様相談室に聞いてみた。

「ケロッグではカルシウムを添加している商品が多く、特に、お子様向け商品はほとんど添加しています。ただし、『コーンフロスティ』と『コーンフレーク』にはカルシウムを添加していないんですよ」

結論からいうと、ケロッグの全商品のなかでも、カルシウムが添加されていない商品はごく一部のよう。では、なぜ「コーンフレーク」と「コーンフロスティ」にはカルシウムがないのか。
「まず牛乳をかければ、かわりに牛乳でカルシウムがとれるからということがあります。また、これらはビタミンB1の強化商品なので、そうした特徴付けの意味もあるんですよ」
つまり、何でもかんでも栄養素を入れれば良いわけではなく、「カルシウム強化」「ビタミン強化」として商品の差別化をしているということのよう。
確かに、「コーンフロスティ」の箱の右上を見ると、「栄養機能食品(ビタミンB1)」とあり、下部には「ミルク200gをかければ9種のビタミン、鉄分がバランスよくとれます」と記されている。
見落としてた……。

ちなみに、カルシウム強化商品としては「チョコワ」「チョコクリスピー」など、チョコ味のものが多いよう。もしかして、カルシウムを入れると、味が変わるなどの理由があって、味の強いチョコ味にしているの?
「いいえ、カルシウムを多く入れると苦味が出る場合などもありますが、添加している程度でしたら、味に差異はありません。それよりも、お子様向け商品の場合、お子様が好きなチョコ味にしているということが大きいです」

また、カルシウムをとりすぎたら問題があるのかどうかというと、「成人が1日に必要なカルシウムは700mlと言われているなか、ほとんどの方が不足しているのが現状」という。

たまたまよく食べていた「コーンフロスティ」や「コーンフレーク」にカルシウムが入っていなかっただけのようだが、「シリアル=カルシウム豊富」という思い込みを改めるきっかけになりました。
(田幸和歌子)