カメラのレンズに装着するだけで、1つの被写体を6つに撮れる特殊フィルターがある。この不思議なフィルターを使って、街角のクリスマスのイルミネーションを撮ってみた。


ふつう、カメラユーザーなら一度は何らかのフィルターを使用した経験があるか、少なくとも見たことくらいはあると思う。例えば、レンズ保護フィルターのようなシンプルな目的のものから、被写体の表面反射を取り除き色鮮やかにする偏光フィルター、被写体をぼかすことでキレイにみせるソフト系フィルター、強い点光源が十字型に光るクロスフィルターなど特殊なものもある。ほかにも、ここでは紹介しきれないほどいろいろな効果を楽しめるフィルターがたくさんあるので、興味があればカメラ売り場やメーカーの直販サイトなどで見てもらいたい。

今回使用したのは、株式会社ケンコー製の周辺効果フィルターシリーズの中のひとつ、「ミラージュ6面」(58mm用、実勢価格5000円前後)。フィルター面を見ると、中央部の五角形とその各辺から5つの面が広がっている。つまり、計6面となっており、これが被写体を6つに分ける役割を果たすわけだ。

使用レンズは6つの被写体がキレイに並びやすい焦点距離50mm前後のものがお勧め。使い方は、まず、レンズにフィルターをねじ込む。つぎに、被写体にピントを合わせると、6つの被写体が浮かび上がる。写真を見れば分かるように見事に1本のツリーが6本になっている。あとは、そのままシャッターを押すだけ。また、ファインダーを覗きながらフィルターを回転させて被写体の並び方を変えることも可能だ。

同シリーズには6面に加え、3面、5面タイプもあるほか、平行に被写体を増やすミラージュ平行3面、6面や、1つのフィルターで被写体を2~4つにできるバリミラージュもある。

ノーマルな写真にちょっと飽きてきたら、このような特殊フィルターを使って気分転換するのもよいだろう。
(羽石竜示)
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