空中にあるときはほとんど見えないし、いろんなものから構成されているはずなのに、ホコリとして固まると、どうしてみんな同じ色になってしまうのか。
砂みたいなものが、全体の色を決定づけているのだろうか。
お掃除のプロ・ダスキンに聞いてみた。
「ホコリの中には様々なものがあり、たとえば繊維クズなどでは、白い繊維もあれば、いろんな色の繊維もあり、それらの色が混ざり合ってグレーに見えます」(広報室)
そういえば、どんな色の絵具でも、黒がほんのちょこっと混ざるだけで、みんなグレーになっちゃうもの。それと同じ理屈なのか。
では、ホコリの成分とは?
「家の中のホコリには、服やふとんなどから出る綿ボコリ、食べ物のカス、抜け毛やフケ、土・砂ボコリなどがあります。その他、花粉、ダニ、カビの胞子、微生物、タバコの煙や排気など、目に見えないものもあります」
2008年ダスキン調べによると、その成分の割合は、「繊維(綿ボコリ)」が56.2%と過半数を占め、次に多いのは「土砂(無機物)」で27.5%、次いで「食物」3.53%、「毛髪」3.02%、「紙片」1.71%、その他が8.04%という結果になっているのだとか。
室内に太陽の光がさしこむとき、フワフワ舞っている綿のようなものが見えることがあるけど、これもやっぱり……?
「室内のホコリが一見、綿のように見えるのは、成分の大半がふとんや衣類がこすれ合って発生する繊維クズのためなんですよ」
なるほど、綿のようなフワフワも、「灰色」を作り出すのも、多くを占めているものは、衣類や布団から出る繊維クズだったとは。
ちなみに、よく耳にする「ハウスダスト」とは、ホコリのなかでも特に1mm以下のサイズで目に見えにくく、空気中にも漂うホコリのことをいうそうで、ホコリわずか1g中に潜むのは、なんとダニ1000 匹、カビ13万個、細菌3000万個!
実に恐ろしい数字だが、では、そんなホコリはどのような場所にたまりやすいのだろうか。
「ホコリは、人が動くたびにふわふわフワフワと舞い上がって室内を移動し、部屋の四隅や家具の後ろに集まってきます。軽いホコリは高く舞い上がるので、カーテンレールの上や照明器具の上などにもよくたまります また、常に空気中を漂っているホコリは、壁面や窓ガラスのような垂直面にも付着します」
掃除をしていても、次から次へとたまってくるホコリ。毎日のお掃除の大切さを実感してしまいます。
(田幸和歌子)