ノートパソコンのVAIOをいろいろいじってたら、「スタミナ壁紙」っていう聞き慣れないものを見つけた。
説明には“スタミナ壁紙をデスクトップの背景にすると、通常の壁紙より、消費電力を抑えることができます”とある。
バッテリーの減りは、少しでも抑えたいもの。そこでスタミナ壁紙に設定してみた。

ところが出てきた壁紙は、なんと真っ白。えっ、これがスタミナ壁紙? ただの白い壁紙だけど……。
一体どういうことなんだろう? VAIOを開発しているソニー株式会社に話を伺った。

「機種によっては、白い壁紙の方が、消費電力を抑えることができるんです」
わっ、これまで少しでもバッテリーが減らないようにって、黒い壁紙にしてた……。


液晶は、常に後ろからライトが当てられていて、何もしなければライトの白い色がそのまま画面に出る。逆に光を遮れば、黒になる。この遮る作業をするときに、電圧が必要になるから、画面は黒より白の方が省電力になるってわけ。

ソニーではモバイルノートの機種すべて(type P、T、G、Z、S)と、大画面ノートの一部(type BZ)に、スタミナ壁紙が用意されている。もちろんスタミナ壁紙に設定しなくても、白い壁紙にしてもいい。また黒に近い暗い色ほど電力を消費し、白に近い明るい色ほど消費電力は抑えられる。


じゃあ、黒と白で消費電力はどのくらい違うんだろう?
「数値は公表しておりません。壁紙によって消費電力が変わるのは、壁紙が全面にある状態、つまりパソコンを使わず放置している状態なので、その数値を公表してもお客様にとって意味がないためです」
確かに。メーカー側が数値を公表するのは難しそうだ。

そこで参考までに、手元のVAIO type Pを使って実際に計ってみた。最も明るくした状態で、何もせずに壁紙を1時間表示したところ、黒い壁紙だと1時間で100%から69%に減っていたバッテリー残量が、白い壁紙だと100%から71%に抑えられていた。時間でいうと1時間あたりで10分程度の差。

パソコンを使っていれば差はわずかだろうけど、白い壁紙の方がバッテリーの減りは少ないのは確かなようだ。

ちなみにVAIO以外でも、サイズが小さいノートPCの液晶は、今回のタイプ(TN方式と呼ばれるもの)が多いとされる。よく言われてる見分け方は、上下と左右で、見える限界の角度が違うかどうか。“左から見るより上から見る方が見えにくい”みたいな違いがあれば、白い壁紙の方が省電力になるタイプのことが多い。

ただ技術は進んでるから、違いを見分けづらくなっていて、完全な見分け方は「メーカーが公表しているか」しかないのが実際のところ。しかもタイプが違えば(VA方式やIPS方式)、黒い壁紙の方が省電力になるっていう真逆の結果になる。
だから、見分け方は参考程度にしてもらえればと思う。

あともちろん、「液晶の明るさを暗くすることのほうが、消費電力を抑えることができますよ」とのこと。
少しでも消費電力を抑えたい人は、白い壁紙を試してみるのもひとつの手、ということです。
(イチカワ)