ビールが本格的に美味しい季節の到来。ビール好きなら一度は憧れるのが、自分だけのオリジナルビールを造ることではないだろうか。


巷には家庭用の手作りビールキットなども売られているが、自宅で造る場合、酒税法によりアルコール分が1%未満のものしか造れない。それならいっそのこと、ビールタンクを丸ごと1本買い取って、自分だけのオリジナルビールを造ってもらうというのはどうだろう?

そんな大胆なサービス、“ビールタンク丸ごと1本売り”が、地ビール会社のサンクトガーレン有限会社によってこの4月23日から始まった。

このサービスでは、同社の社長兼ブルーマスター(ビール醸造責任者)である岩本伸久氏が、お客さんの希望に沿ってオリジナルレシピを作成し、ビールの仕込みから発酵管理、仕上げまでを担当。完成したビールは瓶に詰め、オリジナルラベルを貼って届けてくれるという。
「お客様自らビールの製造に参加していただくことや、ビールの仕込み風景の見学も可能です」
持ち込んだ果物を使ってフルーツビールなども造ってもらえるそうで、まさに、中身(ビールそのもの)も外側(ラベル)も世界に一つだけ、“究極のオリジナルビール”ができあがる。

1タンクで造れるビールはおよそ1,000リットルで、330mlの小瓶に換算すると約3,000本分。
価格は170万円(税込)。一本あたり約567円となる。材料費はもちろん、ビールのレシピや製造費、配送にかかる費用もすべて含まれることを考えると、意外にリーズナブルではある。

とはいえ170万円は個人で簡単に購入できる金額ではない。にもかかわらず、同社への問い合わせは今のところ個人の方が多いのだとか。
「結婚式での利用(披露宴での提供や引き出物)、また企業様のイベント景品や中元・歳暮などで使っていただきたいですね」
注文を受けてからビールが届くまでの期間は約2カ月とのこと。


また、生ビール(樽生)で味わいたい人には、樽やサーバーも無料で貸し出してくれるという。これはラベルだけでなく、中身も完全なオリジナルだからこそできること。
「2樽分だけ樽生にして他は全部瓶に詰める、といったご要望も承ります」
24本単位であれば、送り先が何カ所になってもよいそうなのでプレゼントにも最適。また、1週間に1ケースずつ自宅に届けてもらう、といったことも可能なので保管場所の心配もいらない。

究極のオーダーメイドビール、あなたならどんなビールを造りたいですか?
(古屋江美子)