公園にある、こけしのような形のアノ水飲み器。ツルリとした可愛らしい外見とは裏腹に、水の勢いはかなり凄い。
遊び疲れて喉が乾き、思い切り蛇口をひねったら、すごい勢いで口の中に水が入ってきて、思わず顔を背けたところ、水が空高く舞い上がり、あたり一面に降り注ぐという、局所的スコール現象の被害にあった人も多いことだろう。なぜ、あんなにも勢いが強いのだろうか? 公園施設メーカーの方に聞いてみた。

「水の勢いは、わざと強くしているわけではなくて、構造上、そうなってしまっているのです。ゴムホースから水を出すとき、ゴムホースをつぶして出口を狭くしてやると水の勢いは強くなりますが、これと同じで、水飲みの蛇口は普通の蛇口と比べると非常に狭いので、あのようなすごい勢いになってしまうのです」

水飲みの蛇口の直径は約4ミリで、これは普通の蛇口の直径(13~14ミリ程度)の約1/3である。理論的には、蛇口の直径が1/3倍になると、水の勢い(水が蛇口から飛び出す速さ)は9倍になる。そして、水の勢いが9倍になると、水が達する高さは81倍になる(!)のだそう。
実際には空気抵抗などにより高さは制限されるが、やはり水飲みの勢いはハンパねえみたいだ。

やはり、ずぶぬれになってしまった人から苦情がくることもあるのだろうか。これについては、「そういうこともあったみたいです。それが直接の理由になったかはわかりませんが、最近は蛇口の開きを調整して勢いを調整したものや、蛇口が自動で元に戻るタイプのものが増えてきているみたいです」とのこと。

またこれ以外にも、「垂直に水が出るタイプのものは、子どもが直接口をつけて飲んだりして、あまり衛生的でないという意見もあり、斜めに出るタイプや、ガードがついているものも増えてきています」というコメントもいただいた。昔ながらの形がなくなるのは少し残念だが、水飲みも日々進化しているということなのだろう。


ちなみに、水飲みの蛇口がツルリとした丸い形をしているのは、「汚れが流れ落ちやすくなっていて、蛇口を清潔に保ちやすいから」なのだそうだ。
(nadi/studio woofoo)