ロケット鉛筆というのをご存じだろうか?

鉛筆サイズのプラスチックの円筒状のケースに、小さなプラスチックで支えられた鉛筆の芯が入っていて、鉛筆芯が丸くなってしまったら、その丸くなったパーツを引き抜き、ケースの後ろ側からそのパーツを入れることで、次の新しい尖った鉛筆の芯が出てくるという文房具だ。

元々は鉛筆削りのない時代に、ナイフで鉛筆を削らなくてもいいようにと作られたものなのだが、パーツが欠けると新しい芯が出なくなるという弱点があったりもした。


現在の30代、40代あたりの人は、ギミックのたくさんついたマグネットでしまる筆箱に、このロケット鉛筆やキン消し、香りつき消しゴムなんかを入れていた思い出のある人もいるだろう。

なつかしの文房具と書いたが、実はこのロケット鉛筆、今も売られており、女の子に人気のメゾピアノなど数社から可愛いデザインのロケット鉛筆が販売されている。

ロケット鉛筆にデザインされたかわいいキャラクターもさることながら、ハート型や星型のキャップや消しゴムがついているなど、芸が細かい。芯も黒だけでなく、カラー芯もあり、可愛らしい小悪魔系の柄の中に七色の芯が入っているというものもある。いったいこのロケット鉛筆はどれくらいの需要があるのかナルミヤ・メゾピアノの文房具を製造しているレインボーパークさんにお聞きしてみた。

Q. ロケット鉛筆の現在の売れ行きはどうですか?
「ロケット鉛筆は今までも女の子の定番文具として、買われていますよ。
品切れを起こすと必ず問い合わせがくる商品です」

Q. 今後も新しいロケット鉛筆を発売していく予定はありますか?
「来年の新学期には発売する予定です」

Q. デザインも昔に比べて可愛らしくなってますよね?
「女の子はキャラクターデザイン次第で大きく売れ方がかわるので、かわいいデザインにこだわっております」

新学期には今でも人気のロケット鉛筆。もしかすると、今の親世代・祖父母世代が昔を懐かしんで買っていくのかもしれない。

時代を越えて息づくロケット鉛筆。昭和の香りが消えていくこの時代でも、ロケット鉛筆はひっそりとがんばっているようだ。
(井上かおる/studio woofoo)