犬に「三輪車」といえば、サーカスの曲芸かと思うかもしれないが、そうではない。ふつうの犬が日常で使うのだという。
どんな三輪車なのだろうか。

見ると、飼い主が犬を乗せて運ぶための三輪車のようだ。もしかして、犬用のベビーカー?
「いいえ、おもに老犬を乗せるための三輪カートです」と犬グッズの販売会社のグローブテイルズ。高齢や病気などで満足に動けなくなった犬を運ぶためのものだそうだ。

グローブテイルズは欧米で企画された犬関連製品を数多く取り扱っており、犬用カートもそのひとつ。同社が現在扱っている犬用カートは、大型犬用で耐荷重68キロの四輪カート『PGソフトカートBIG』や、小型犬用で三輪カートと専用バッグのセット『スポーツトライクストローラー+スポーツワゴンバッグ』。

犬用カートの欧米での人気は高く、売れ行きは好調のようだ。
「日本に比べて中・大型犬の飼育頭数が多い欧米では、スポーツワゴン(バギー)のような中・大型のカートが多く出回っています」とのこと。しかし、タイヤが付いているとはいえ、人の力で大型犬を運ぶのは結構大変だと思えるのだが。
「日本と道路交通法の異なる海外では、手で押すだけでなく、自転車に取り付けて利用することも多いです」という。なるほど、工夫してますね。

そもそも、どうしてカートを使ってまで老犬を屋外へ運ぶ必要があるのだろうか。

「犬は外に出て、嗅覚を使ったり太陽を浴びたりすることが生きがいですから」と同社。
日本でも犬の高齢化が進んでおり、人間同様に足腰が弱くなり、大好きな散歩もままならず、結果としてストレスを抱える犬が多いのだという。
欧米ではもともと「犬は家族の一員」という意識がとても強い。そのため、日本より早くから犬の高齢化問題に取り組み、結果として犬用カートの普及が進んだのだ。

日本の飼い主も、欧米並みに犬に愛情を注いでほしいものだ。
(羽石竜示)
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