4~6月、結婚シーズンが続き、結婚式などパーティーシーンに居合わせた人は、シャンパンをパーンッと賑やかに開ける光景に出会った人も多いのでは? F1授賞式でも恒例の行事だが、あの豪快なさまは見ていても気持ちいい! 

コルクが勢いよく飛んできたり、中身がプシューッと溢れ出たり、なんてことも、笑いに変えてくれる雰囲気がいいのだろう。家庭ではとても真似できないけど……。
その点、ソムリエは音も立てず美しく開ける。

この開け方の違いは興味深い。ソムリエから見る前述の光景はやはり邪道なのか?

「いえ。シャンパンを豪快に開けることは、盛り上がり、雰囲気も高まるので美味しく飲めるコツでもあります。とても良いことだと思いますよ。例えば、レストランでソムリエが静かに開けるのは、周りのお客様に対するマナーを気遣っての行為です。
それに、ソムリエが美しく開ける姿は絵になりますし、『美味しそう』と思わせるエッセンスにもなりますよね」と楽しそうに話すのは、田崎真也ワインサロン支配人の元場さん。

美しいといわれる、一般的な開け方をご紹介(右利きの場合)。

1.キャップシールをはずす(ソムリエナイフを使うとよりキレイに!)
2.針金をゆるめ、針金はそのままでもはずしてもOK
3.右手(利き手側)でボトルの底を持ち、左手でコルクを押さえながらボトルを回す
4.コルクが上がってきたら、最後に軽く上に傾け、空気をスーッと抜けば完了

ちなみに、利き手側でボトルを持つのは、ソムリエがすぐにサービスに取りかかれるという理由などがあるようだ。

「開け方以前の問題ですが、ガチャガチャとしないこと。ボトルを冷蔵庫にぶつけたり、揺らしたりすると吹き出してしまいます。あと、冷えも甘いとガス圧が高くなり吹き出す原因となるので、充分に冷やしてから開けることをおすすめします」

パーティーシーンでは、ボトルを回す際にコルクを解放すればパーンッと豪快に開けることができる。
その際、コルクをしっかり支えていればコルクが飛ぶこともなく、音を立てることができるようだ。

ここでいうシャンパン(シャンパーニュ)とは、フランスのシャンパーニュ地方という水準の高い産地において、作り方やぶどう品種などを規制して作るスパークリングワインの一種のこと。つまり、スパークリングワインでも同様の開け方が適用される。

「マナーにとらわれ過ぎて、楽しめないのは意味がありません。大いに楽しんでください!」と開放的な姿勢の元場さん。ますます、ワインやシャンパーニュの虜になりそうだ。


シャンパンの開け方は、雰囲気のスパイスとして参考にしてみるといいかも!
(楓 リリー)