先月24日、日本初のフェッテ・パニッサ専門店、その名も「fette panissa」(フェッテ パニッサ)が東京・浅草にオープンした。開店から数週間だが、早くもリピーターが出るほど人気を集めている。


「フェッテ・パニッサ」とは、イタリアのスナックの名前。ひよこ豆をベースに、水、塩など自然の素材だけを使った生地を油で揚げたもので、イタリア北西部のリグリア地方に500年も前から伝わる伝統的な一品だ。

揚げたてをほおばると、口のなかに素朴で上品な風味がふわりと広がる。パリッと香ばしい衣としっとりした中身のバランスが絶妙。また、ひよこ豆は食物繊維やビタミンBを豊富に含み、ヘルシー食材であるのも嬉しい。

店はテイクアウトがメインだが、店の前にはテーブル3つと椅子12客を用意。
ビールやワインなどのお酒やちょっとしたつまみも提供している。
「現地でもテイクアウトスタイルの専門店がたくさんあります。レストランなどで前菜として提供しているところもありますよ」
イタリア人であるオーナーの意向により日本風にアレンジせず、現地と同じ味にこだわる。レシピはオーナーのお母さん(マンマ)直伝だという。

とはいえ、日本ではまだほとんど耳馴染みがないフェッテ・パニッサ。店を運営しているfurnishの方にオープンのきっかけを訊いてみると、
「このお店のオーナーであるイタリア人の友人から、彼の町の名物であるフェッテ・パニッサを日本の方にも食べてもらいたいという想いのもと、私たちに運営の依頼があったんです」
デザインユニットであるfurnishが今回、異色にも見える新事業を始めたのは、そんな友人の熱い想いを受けてのこと。
それにしてもナゼ浅草に?
「その質問はよく受けるのですが、みなさんが感じているようなギャップを印象付けられたらと思い、この地を選びました」
 
「一度ご来店いただいたら、忘れられない味と雰囲気を提供出来るお店にしていきたいですね。お昼はテイクアウトメインですが、夜は食事の前や食後に気軽に立ち寄れるお店としてお使いいただければと思います」
1パック(18ピース)250円と値段も手ごろ。イートインでは生のままのパニッサ(1皿250円)もいただける。新たな浅草観光のお供にぜひどうぞ。
(古屋江美子)