多くの人が、幼い頃に駄菓子屋でポリポリ食べたであろう『ベビースターラーメン』。
デビューからコツコツコツコツコツコツコツコツ販売されて、なんと今年で50周年。
遅ればせながらその事実を知ったので、さっそくメーカーのおやつカンパニーに、おめでとうの気持ちを込めて取材してみた。

「ベビースター50周年、おめでとうございます! で、今後はどんなキャンペーンをお考えなんですか?」
「あ……。大変申し上げにくいのですが、すでにいくつかキャンペーンを実施しておりまして、今後はとくにないんですよ……」

わぁ、完全に出遅れたパターンだ。ふがいない俺。
せっかくなので、今までに行われたキャンペーンについて聞いてみた。

懸命な取材の結果、2009年4月13日に、記念商品として『ベビースター発売50周年記念、昔・今・50年目のベビースターラーメン6個パック』を数量限定で発売したという情報が得られた。

北海道十勝平野にある契約農場産小麦だけで作られた「50年目のベビースター」1袋、「昔のパッケージ復刻版ベビースター」2袋、「今のベビースター」3袋をパックにした豪華セットで、大好評のうちに販売が終了したとのことだ。

……って、販売終了か~い!
と思われてしまうに決まっているが、一応事実を報告させていただくとそういうことである。
このままではあんまりなので、ここでベビースターの50年のあゆみをご紹介しようと思う。

そもそも当時のおやつカンパニー(旧社名:松田産業)の工場では、ノンフライ即席めんの製造をしていた。当時の工程は天日干しだったが、その際にたくさんの麺のかけらがこぼれ落ち、それを見た創業者(故・松田由雄氏)が「もったいない」とこぼれる前に袋に受け、味付け・フライをしたものを従業員におやつとして渡していたそうだ。これぞ『ベビースターラーメン』の原型である。

この「かけら」が好評で、従業員・近所の方々が次から次へとその麺のかけらを欲しがり、「そこまで人気があるのならいっそのこと商品として売ってみては?」というアイデアから、『ベビースターラーメン』が誕生したというわけだ。

偶然から生まれたベビースターだが、お湯を入れて食べておいしい麺と、そのまま食べておいしい麺とは別物。商品として売り出すまでには、最適な味や食感を実現するための材料の配合、麺の太さ・長さ、味のつけ方などに試行錯誤が繰り返され、それこそ悪戦苦闘の連続だったという。

しかし、その甲斐あって『ベビースターラーメン』は、現在も子どもたちのおやつの定番。
当初「ベビーラーメン」という名前だった商品を、1973年に“おやつ界のスターになる!”という願いを込めて「ベビースターラーメン」と改称したそうだが、その願いは達成されたと言っても過言ではないだろう。

『ベビースターラーメン』よ。
50年後、100年後も、おやつ界のスターであれ!
私個人としても、そのときこそ誰よりも早く、最新のベビースター情報を皆さんにお届けする所存である。
(新井亨)