本当に猫のような子もいるんだろうけど、猫が女性にとって“そう見られたい”というキャラクターを持っているからこその、この発言。小悪魔的な性格、可愛さと憎たらしさが同居した何とも言えない魅力。憧れるに十分な、魅力的な要素の持ち主だと思う。
そして、そんな猫を喜ばせるようなお店がある。それは東京都台東区谷中にて今年の10月にオープンした、猫のおもちゃ専門店「谷中草庵(やなかそうあん)」のこと。
こちらのお店、一風変わった点がある。どこが変わっているのかと言うと、営業日が土曜だけで、営業時間が午後1時から5時までの4時間なのだ。しかも、天気が晴天の日のみの営業(土曜が雨で日曜が晴れの場合、営業日を日曜に振り替える場合あり)。
どうして、このような営業形態に? 「谷中草庵」スタッフのサッサさんに、実際にお伺いしてみた。
「このお店は、『音羽屋』という人力車屋さんのガレージを借りて営業しています。雨の日だと、人力車を出す機会も少ないので、晴れの日のみの営業となりました(『音羽屋』は悪天候でも、予約があれば営業する)。また、ウェブショップに寄せられる注文への対応や、販売する商品の製作に時間がかかってしまうので、週1回の営業ということになりました」
普段は人力車のガレージとして使われているスペースを有効利用して、出店されているショップなのだ。
というわけで、お店の営業日に狙いを定めて遊びに行ってきました。それにしても、近辺の雰囲気が良い。何とも言えない、落ち着いた雰囲気がある。
実は、この辺りは“谷根千”と呼ばれる、散歩道として有名な地域(谷中・根津・千駄木の3つの地域を指す)。わざわざ、この辺りに来て散歩を楽しむ人もいるほどの有名エリア。
そんな散歩途中の人たちが、この店にぶらっと立ち寄る。そんな風に来店する人が、「谷中草庵」には非常に多い。「面白そうな物が売ってるな」と、予備知識もない人たちが引き寄せられるように訪れるのだ。
店内には、サッサさん手作りの猫グッズたちが所狭しと並べられている。一番人気は『うおうお』(1,800円)という猫がジャレて遊ぶおもちゃ。他にも、『谷中のねずみベイベー』(800円)や『おじゃれ紐』(1,500円)などが好評。
このような物を、サッサさん自身が作るようになったのには理由がある。
これらをコテツちゃんや猫を飼っている友人にプレゼントしていたら、「カワイイし安全なら、こんないいことないじゃん!」と言われ、出店を決意するに至ったという。
「谷中草庵」の猫グッズが、他の猫グッズと違うのは“安全性”に長けているという点。製作に使うたこ糸は、調理用(焼き豚を作るときに肉に巻いて煮込む糸)を用い、布はオーガニックコットンを使用。おもちゃの中に入れるまたたびも、人間のマタタビ酒用に収穫している業者から直接購入。キャットニップ(ハーブ)は、サッサさんが無農薬栽培したものを使用。製作はサッサさん1人で行う。出どころがお客さんに明確に伝わり、安心してもらえるように努めた。
この“谷根千”周辺には、猫グッズ専門店や猫がいる喫茶店など、猫好きにはタマらないショップが密集しており、猫の愛好家には見逃せない地域となっている。そういった方々も、同店には頻繁に訪れる。常連のお客さんも多い。
猫の病気などの問題もあり、家で猫を飼うのが主流になってきたこの昨今。昔と比べ、次第に人と猫の関係も変わってきている。段々と密になってきた両者の関係性が、このような“猫愛”に溢れるお店を生み出したのだろう。
散歩がてらの人でも、猫に愛情を注ぎこみたい人でも、どちらもウエルカムのお店である。
(寺西ジャジューカ)