しかし、ここに新たな試みが。大阪でたこ焼き店を展開する「元祖たこ昌」が、チョコレート業界にライバル心をむき出しにした。というのも、バレンタインデー向けの告白用たこ焼きを開発したというのだ。その名も『黒白たこ焼き』。2月10日から14日まで、バレンタインシーズン限定で発売する。
お気づきの通り、“黒白”と「告白=コクハク」をかけてネーミングされた、このたこ焼き。その名の通り、黒いたこ焼きと白いたこ焼きが中に入っている。
説明すると、“白いたこ焼き”は通常のたこ焼きのこと。では、“黒いたこ焼き”とは? これは、小麦粉に和歌山県の紀州備長炭パウダーを配合した生地を使用。これによって、たこ焼きを黒くすることに成功した。ちなみに、特殊加工されたミクロの備長炭パウダーは、食品添加物として認められているもの。
この『黒白たこ焼き』は、同社本店店頭もしくはネット通販で販売され、いずれも冷凍の状態での発売となるのだが、実は形が面白い。
それにしても、どうしてこんなたこ焼きを思いついた? 同社の創業者であり、アイデアマンとしても名高い山路昌彦さんは、こう語る。
「元々、たこ焼きを買っていく層とバレンタインにチョコを贈る層はかぶっており、共に女子学生やOLさんが多いんです。また、この不況の折、暗い世相を関西発のユーモアで明るい話題にしたいと思っていたところ、突然、『告白』イコール『コクハク』のダジャレがひらめきました」
このひらめきが、同社の売りのひとつ! というのも、この会長が仕掛ける企画には、普通の感性ではタマげること必至の試みが多すぎるのだ。
たとえば、従業員に支給するボーナスの一部(7500円分)を硬貨で支給というキテレツ企画。これには、「大切な、お金の重みを再確認してほしい」という会長の思いが込められている。
また、「たこ焼きを冷凍にして販売したのは、当社が初!」とも豪語。今スグ食べるのではなく、家に着いてから食べることを想定し、美味しさのピークを数時間後に設定して作ったり、とにかく斬新な発想の持ち主なのだ。
その会長が仕掛けた、今回の『黒白たこ焼き』。私もいただいてみました。
私が食べたのは、冷凍のハート形の方。
そして、食べてみました。まずは興味深くてしょうがない、黒いたこ焼きの方を。当然、こんなの見たことない。ちょっと、マシュマロあたりのルックスにも似ている気が。しかし、中にはシッカリとタコが入っている。味は、さすがの本場・大阪仕込み。香ばしさもあり、当たり前のように完食させていただきました。
実は、チョコレート業界の1年間の売り上げの7~8割は、バレンタインシーズンで売り切ってしまうという。
コレ、個人的には無理のある企画とは思わない。たこ焼きは、男女問わずの最高のファーストフード。お洒落なイメージだってあると思うし、そのあたたかさでハートをあたたかくさせる、なんてことも言えるか。
発売は、「たこ昌」の道頓堀本店かネット通販でのみ。価格は、黒白のたこ焼が各4個ずつ8個入って税込み888円(冷凍配送料は別途)。しかも、限定100個なので、興味を持った方は気が抜けない。
(寺西ジャジューカ)