光が強い屋外での撮影のとき、カメラのレンズに遮光フードを取り付ける。これは常識。
だが、基本的に屋内使用のパソコンモニターに遮光フードを取り付けるとはこれ如何に?
この素朴な疑問に答えはあるのだろうか。液晶モニターメーカーの老舗、ナナオに聞いてみた。

まず基本的なこと。遮光フードはどのモニターに取り付け可能なのか。
「当社のEIZO液晶モニター専用の場合だと、ワイド画面用として21.1型、22型、24.1型、スクエア画面用として19型、20.1型、21.3型に対応しています」
他のモニターメーカーからも純正オプションとして遮光フードを提供しており、また、サードパーティーからも汎用品が販売されている。もっと少ないと思ったが、探せば意外にあるものだ。さらに、ナナオの遮光フードは外付けモニター用だけだが、サードパーティーの中にはノートPC用も存在する。

では、肝心の遮光フード装着の有無による画像の見え方のちがいは?
「照明などの外光反射がある場合、一般的に画面表示が白っぽく見え、コントラスト感が減少します。また、色が薄くなって見えることがあります」
色の再現性・表示が重要なグラフィックスの現場において、遮光フードが多用されているのはこれが理由なのだという。たとえ、室内の照明でも画面表示に影響を与えてしまうわけだ。

ただ、これはあくまでプロの現場での話。一般ユーザーが遮光フードを必要とするケースはあるのだろうか。

「画面に外光反射がみられ、それを画面の位置や向き、角度を変更しても回避できない場合、遮光フードを使用するのはどうでしょうか」
確かに、「パソコンモニターの光沢の是非について」で取り上げたように、グレア(光沢)パネル仕様のモニターの場合にとくに役立つかも。

ちなみに、遮光フードは、ダンボールやテープなどを使って自作もできるそうだ。
「その際注意しなければならないのは、モニターの通気穴をふさがないことです。多くの場合モニターの上面や背面に沢山の穴やスリットが入っています。この部分をふさいでしまうと、モニターの故障の原因になります」
なるほど、注意します。

やっぱりパソコンは顔(モニター)が命!?
モニターがキレイなら画像もキレイに見えるもの。よって、日ごろからマメに掃除するだけでなく、光の写り込みを取り除くことも心がけるべきだろう。
(羽石竜示)
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