よく、“異業種交流会”の告知を目にすることはある。でも、実際に行ったことはない。
そういう機会を利用しないと接することのない職種というのは、確かにあるのだが。

たとえば、弁護士。皆さん、実際にお話したことありますか? 私は、数えるほど。もしかしたら、1~2度くらいしかなかった気がする。

だからこそ、このバーが有意義だ。渋谷に居を構える「Legal Bar ROPPOH(リーガルバー六法)」(TEL:03-6415-3366)では、なんと現役の弁護士がバーテンを務めているらしい。


でも、どうしてそんな“二足のわらじ”を? 同店でバーテンを務める外岡さんに話を伺った。
「知人から“弁護士バー”のアイデアを持ちかけられたんです。彼は以前、プライベートのトラブルから弁護士を必要とする機会があったらしいのですが、なかなか“これだ!”という弁護士が見つけられなかったそうです。そんな経験を踏まえ、『“普段から弁護士と接することのできるバー”が、あったらいいな』と思いついたようです」

たとえば、何かあって弁護士に相談に行った時。どうしても、“敷居の高さ”を弁護士に感じている我々にしてみたら、満足のいく相談ができるかどうか。勝手がわからず、納得のいくやりとりができなかったり、そんな恐れがないワケじゃない。


そして、このバーの狙いはそこだ。まず、本格的な弁護をしてもらう前段階として、お酒の席で気軽に弁護士とコミュニケーション。信頼関係を築いておけば、イザという時に心強い。

では、やはり法律関係の悩みを持った方の来店が多いのだろうか? 
「まず、法曹界を目指されている方、法律を勉強されている学生さんなどがよくお見えになります。要するに、“未来の法律家の卵”たちですよね。なかなか実務に触れる機会がないので、ここで法律関係の話に触れたり、最新事情を聞いたりするのを楽しんでもらえてるみたいです」

ただ、タブーが数点ある。
まず、店内で個人的な法律相談をすることはできない。弁護士法などに抵触する恐れがあるので、お客さん個人の相談はご法度なのだ。相談したい方は、日と場所などシチュエーションを改める必要がある。他には、弁護士の紹介も厳禁。

しかし、それ以外の要素が充実しているので、心配はご無用だ。
何があるかというと、まずは店内に置いてある六法全書が“弁護士バー”ならでは。

そしてカウンター奥には、裁判長でおなじみの“木槌”も用意。気になる方は、手に取って「コン、コン!」なんて叩かせてくれるから、この快感を是非とも味わってほしい。ふと見たら、台ふきんには「勝訴」なんて字が印字されており、裏返すと「敗訴」とも書いてあるから、あまりにも独特。
他にも、弁護士バッヂに描かれている“天秤”のオブジェも入荷予定なので、弁護士バーとしてサービスにいよいよ隙がなくなってきた。

メニューも、弁護士にちなんだ物を用意している。フードには、ドリンク、スープ、料理がついた「六法コース」(2,995円)が。
カクテルには、弁護士バッヂに描かれるヒマワリをモチーフにした「ひまわり」(1,200円)だったり。絶対に、ココにしかないメニュー!
実際、私も「ひまわり」を味わってみました。すると、これがすこぶる飲みやすい! オレンジとパインジュースを使ったお酒で、飲んでみると何となくヨーグルト風味に感じる逸品。特に、女性にオススメです。

ちなみにお店は毎日営業なのだが、外岡さんは土日祝日お休み。その日は本業に専念されているので、生の弁護士とお話したい方はそれ以外の日に訪問してみては。

ただ、店内は禁煙なので普通のバーとしてもイケてます。
(寺西ジャジューカ)