そんな混雑嫌いの人たちにぜひお勧めしたいのが、山梨県の下部温泉だ。
源泉温度は32度程度だが、場所によっては「水!?」と思うほどのぬるい温泉が特徴で、「武田信玄の隠し湯」と呼ばれているだけあって、下部のまちは本当にひっそり。
JRを利用すれば、新宿から最短でわずか2時間15分程度にもかかわらず、GWまっただ中でも、行列や混雑とは無縁の静けさだ。
そんな状況を物語るコピーを掲げたポスターが、まちのここそこに貼られている。
『富士山は、とてつもなく邪魔だなあ。』
みんながありがたがる富士山を「邪魔」呼ばわりするのには、理由がある。ポスターにはこんな解説文が添えられている。
「東京方面から、ここ下部温泉へのアクセスは大きく2通り。中央線経由で富士山の北側を迂回するコースと、東海道線経由で南側を回るコース。いずれにしても富士山の『裏側』にあるこの温泉は、ちょっぴり不便な印象を与えてしまうようです。同じ麓の温泉でも、箱根や石和はあんなにメジャーなのですから、実に不公平」
箱根や石和などが、しっかり「観光地」なのに対し、下部温泉は、まちのあちこちに、開き直りのようなマイナー感・脱力感が溢れている。東京の隣の県とは到底思えず、ずいぶん遠くまで来てしまったような気分を味わえる場所なのだ。