黄金色したごま油と、透明のごま油。そもそも、ごまは白と黒。
油の色の違いもその違いからできているのだろうか?

「太白胡麻油」のメーカーである竹本油脂、くびれたボトルでおなじみのかどや製油に問い合わせてみたところ、両者から、ごま油の色の違いは、ゴマを焙煎しているかどうかの違いだとの回答をいただいた。
ゴマを焙煎せずに生のまま絞ると透明に、搾油前に煎れば煎るほど色が濃い油になるという。ごま油特有の、あの香ばしいにおいも焙煎することで生まれるんだとか。
「透明なごま油は香りがないので、サラダ油感覚で使っていただけます」(かどや製油)

では、ゴマそのものの色は関係ない?
これが関係ないという。竹本油脂では白や茶などを中心に、かどや製油でも白・茶のほか黒ゴマも使用。ゴマは黒くとも油は白くなるというから驚いた。
かどや製油では、黒ゴマのみを使用したごま油も製造しているが、色も香りも濃いのは「強めに煎っている」のがその理由。決して黒ゴマだから濃いわけではないのだ。

一般に、黒ゴマに比べ、白ゴマのほうが含まれている油分が多いため、ごま油の原料には白ゴマが多く使われる。また、ごま油の色の違いによる栄養成分の違いはほぼない。

さて、ごま油といえば人気の自作ラー油。何色のごま油を使うのがいいのだろう?
「風味は好みですが、販売しているものは(黄金色の)『純正』で作っています。
香りの豊かな黒ごま油で作っても」(かどや製油)
「好みによりますが、唐辛子やニンニクの風味をより感じられる(透明の)『太白』がおすすめです」(竹本油脂)
ごま油は加熱で香りがとんでしまう。調理後に香りを加える意味で色の濃いごま油を加え混ぜるのがよさそうだ。

蛇足だが。今回、Wikipediaの表記に準拠し、記事内では「ごま油」「ゴマ」の表記を使用した。インターネットで調べるには、各メーカーサイトは「ごま油」で検索したほうがぐっと精度が高くなる。なぜか「ゴマ油」で検索すると、コスメやアーユルヴェーダなど女性向けサイトが先にヒットする。
食用は「ごま油」、美容は「ゴマ油」な不思議な住み分けができているようだった。気になる……。理由をご存知の方は教えてください!
(飯嶋凛悟/studio woofoo)