写真も文書もデジタル化が進んでいる昨今、すっかりスキャナーの出番が少なくなったような気がする。だいたい平面的なものしかうまくスキャニングできないし、時間もかかる、スペースも結構占領するし。

なので、だんだんと敬遠されていっているのかも。ところが、そのような難点を克服した新しいタイプのスキャナーが登場。早速つかい心地を試してみた。

電気スタンドとしか思えない不思議な形のスキャナー『Simply Scan』(販売・ノバック)は、ことのほか優れもの。まず、電源コードがなくUSB端子のみの接続で、折りたたみが可なので、持ち運びにとても便利。そしてなにより、従来のスキャナーはカバーで対象物を押さえつけるので、形や厚さなどによってうまく画像データ化できないという制約があった。だが、『Simply Scan』は対象物を机の上に置いて、上からスキャニングするので、そのような制約は基本的にないわけだ。

操作法は、専用ソフトをパソコンにインストール後、スキャナーをつなぎ、映し出された画像をモニターを見ながら確認し、スキャンボタンを押すだけ。試しに、手や花をかざしてスキャンしてみた。すると、見事にデータ化が完了。しかも一瞬で終わった。

これのデジカメにないいいところは、撮影データをパソコンにダイレクトに保存できるところ。
また、机に置いた状態でスキャンするので、両手が空く。カメラを構えなくていいので、とくに大量の文書をデータ化するときは楽であろう。

あと、筆者が同製品の活用の仕方として思いついたのは、読書のときのスキャニング。分厚い小説やら哲学書を読んでいて、ここぞと思う箇所には必ず付箋をつけておくのだが、付箋の代わりにその部分をスキャニングする。机の上からスキャンしてくれるので、読書を中断することなく簡単にデータ化が可能だ。あとで、パソコンで編集してスキャンデータをもとにした「要点集」が作成できる。

ただ残念なのは、スキャン対応は最大A4サイズまで。今後、もっと大きなサイズに対応してくれれば、使用範囲はさらに拡大するだろう。今後の改良を期待したい。

『Simply Scan』で書棚に眠っている本の気になる部分をサクサク画像データ化して、パソコンで読み返してみませんか。
(羽石竜示)
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