夏は水分をとる量が増えるもの。家庭では2リットルサイズのペット飲料を利用する人も多いと思うが、2Lペットボトルは1本あたり約2キロと重め。
若干扱いづらいと感じる人もいるだろう。

だが、そんな2Lペットボトルも進化しつつあるのをご存じだろうか。先日、久しぶりに「キリン 生茶」を購入したところ、明らかに以前より持ちやすくなっていて驚いた。

キリンビバレッジ株式会社の担当者に話を聞いてみると、
「生茶ブランドは今年4月にリニューアルし、2Lペットボトルも一新しました。“アルカリイオンの水”などの2Lペットボトルも持ちやすく注ぎやすいボトル形状に変更しています」
新容器では使いやすさをとことん追求し、ユニバーサルデザインを実現。なんでも特許も出願中だとか。
「2Lペットボトルの製品は重量があり、持ち上げた時やコップに注ぐ時にやや負担がかかります。そうした負担を少なくするために、今回の改良を加えました」

使いやすさのヒミツは、ボトルに設けられた凹み。よく見るとボトル中央の4本の線にそれぞれ軽く凹みがついており、指の収まり感や関節のフィット感が絶妙。さらに、ラベル下の一段深く凹んでいる部分に簡単に指がひっかかるので、あまり筋力を使わずとも持ちやすく注ぎやすい。また、ボトルの肩部(上部)の凸凹が指かかりになり、キャップも開けやすくなっている。

5月下旬には生茶のボトルを38グラムへ軽量化も実現。
ただ、ユニバーサルデザインと軽量化の両立には苦労も多かったそうで、
「単純に軽量化するだけであれば、ボトルは弱くなってしまい、“柔らかすぎて心配”といった不安感を与えてしまいます。これを克服するために、ボトル下部に波線、底部に円形のくぼみを入れて全体的な強度を高めるなど、形状的な工夫をしています」
最終的な形を決めるまで、何百という試作を重ねたという。

デザインのヒントを意外なところから得ているのも興味深い。
「ボトル形状を考えるときに、自然物からヒントを得ることがよくあります。自然界には、“薄くて強い構造をもっているもの”がたくさん存在します。たとえば、木の葉や花など……。環境に優しい軽量ボトルを設計するために、自然から形状のヒントを得るということは、何か素敵な関係だと思っています」
新容器についてはすでに反響も大きく、とくに女性や高齢の方から好評だそう。

ちなみにユニバーサルデザインの新容器は「生茶」「アルカリイオンの水」以外の同社のすべての2Lペットボトルに導入を進めている。また、今年10月下旬には「アルカリイオンの水」の2Lペットボトルで国産最軽量となる35グラムを導入予定とのこと。

“環境に優しい軽量化”と“人間に優しいユニバーサルデザイン”を両立した2Lペットボトル。実際に店頭で手にとってみれば、その持ちやすさに驚くはずですよ。
(古屋江美子)
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