7日18時から8日21時まで27時間にわたって行われたこの「ニコニコサマーフェスティバル2010」は、昨年に続いて2回目。ニコニコ動画内の人気カテゴリ「ゲーム実況プレイ」と「歌ってみた」動画の投稿者達が50人以上出演しました。自主ラジオ放送などで司会進行に定評のあるMC4人を中心に、企画運営も全て投稿者達でまかなわれ、ニコニコ動画非公式イベントながら東京カルチャーカルチャーを会場に押さえてオフラインイベントも同時敢行するという気合の入りっぷり。100名規模の会場チケットはわずか3分で完売したそうです。
Ustreamで放送が開始されると、ミラーを含めて用意された6チャンネルの全てが常に1000人を超える視聴者で溢れるほどの大盛況。ラジオはMCがローテーションしつつ、時間ごとにゲストが入れ替わる方式でフェスっぽさを盛り上げます。実況や歌の製作の裏側やこだわりが真剣に話されたかと思えば、40分間ひたすらビールやラーメンの話をする人もいて、一人一人の個性が出ていました。オフライン会場では実況プレイヤーがトークと焼きそば調理生実況、歌ってみたの面々が生歌ライブを披露。放送には視聴者もコメントで参加することでイベントの一体感を共有することが出来、ツイッターのハッシュタグを使ってつけられたコメントだけでも3万5千件を超えました。
一部、ニコニコ動画からプロデビューした人もいるとはいえ、所詮は素人。お笑い芸人やプロミュージシャンの様なトークや歌唱が出来るわけではありません。
その答えは「身近さ」にあるというのが個人的な見解です。モーニング娘。やAKB48が「クラスにいそうな可愛さ」「会いに行けるアイドル」を売りにしてブレイクしたように、自分の手の届きそうな感覚がかえって感情移入を高めるのです。その流れは着実にニコニコ動画にも届いていて、「ちょっと面白い」「ちょっと歌が上手い」ということがかえって求心力となって、数百万人のニコニコ動画ユーザーの心を掴んでいるのです。
僕も僭越ながらゲーム実況プレイヤーとしてオフラインイベントに参加させていただきましたが、ビールを飲んでへらへら喋っているだけでお客さんの温かい声をいただき、つくづく好意に支えられてこの場にいるのだなと実感しました。エキサイトレビューライターの池谷さんもてっけん名義でトークライブに出演したのですが、客層が若く、お洒落で快活そうな方が多かったため随分卑屈になっていました。何かトラウマでもあるのかもしれません。
ただ一つ残念だったのは、「ゲーム実況」「歌ってみた」それぞれの視聴者層の分断がややあり、片方が盛り上がっている時にもう片方は沈みがちという傾向があったことです。ニコニコ動画の視聴者は特定のカテゴリに特に熱心になる人が多いためある程度しかたのないことですが、その辺りが上手く融合してくるとさらに良いイベントになるのではないかと思いました。
とはいえ、このイベントそのものに愛着を持つ人も確実に増えてきています。ニコニコ動画は内輪ノリだと揶揄されることもありますが、この規模になればもう立派な一大コンテンツ。