最近、流行りの調味料と言ったら、何といってもラー油があるだろう。
だが、個人的にはタバスコもおすすめしたい。
かつて、アントニオ猪木が国内における総輸入代理店契約を結び、日本でその存在を浸透させていった、ピリリと辛い赤いアイツ。アントン派としては、タバスコをプッシュしたいものだ。

そんなタバスコの用途、果たして何がある? ピザやスパゲティにかけるのは言わずもがな。他には……。きっと、たくさんあるのだろう。でも、今思い出すのはそのくらいしかなくて。
ゴメンナサイ、料理音痴の自分なだけに。

しかし、コチラの方は私にも扱いやすそうだ。「タバスコ」と「醤油」を合体させた、その名も『タバスコスパイシー醤油』。

タバスコと醤油をかけ合わすという、コロンブスの卵。というか、そんな発想はいまだかつてしたことがなかったのだが。
そこで、このタバスコ醤油をつくることになったキッカケを、同商品を生産している正田醤油に伺った。

「日本は、世界で2番目にタバスコペパーソースの消費が多い国です。醤油は、ご存知の通り、大豆と小麦を発酵させて作りますが、タバスコペパーソースも唐辛子を3年間発酵・熟成させて作られています」

「また、タバスコの製造元であるマキルヘニー社(アメリカ・ルイジアナ州)は1868年、当社は1873年に創業と、共に130年以上の歴史のある会社です。同じ時代に生まれた、同じ発酵食品を作るもの同士が協力して、日本人が大好きなペパーソースと醤油を組み合わせることで新製品を作ろうと考えました」
ということで、正田醤油とマキルヘニー社は業務提携。平成6年から『タバスコスパイシー醤油』の発売となった。

それにしても、想像の外だ。“スゴく辛い醤油”という感じ? どんな味がするのか、同社に伺ってみた。

「スパイシーといっても、劇的な辛さではありません。けれども、食べて普通の醤油と変わらないのでは、両社がコラボレイトする意味がありません。試作の段階でタバスコペパーソースの辛味が塩味を強く感じさせる効果が確認できました」
醤油本来の旨味を持ちながら食塩分の低い醤油を使用し、辛味で食塩分が低く物足りない分を補う。結果、マイルドにタバスコペパーソースの辛味が感じられるように仕上げた。

……と、口で説明されても実感が沸かない。そこで、実際に取り寄せてタバスコ醤油を試してみました。
まず、醤油といえば魚だろう! そこで近所でほっけを購入し、この醤油をかけていただく。
いざ開けてみると、匂いは醤油。色も醤油。この時点では和の雰囲気オンリーなのだが。これを口にしてみると……、「ん? 普通じゃん」。それから1秒後に「あ、チョット辛いかも」。
その2秒後、「おぉ、ほのかに辛いねー!」。後味として、喉にかすかに伝わる辛さ。白米があると、スゴくいい塩梅だと思う。醤油につけた魚をご飯にバウンドさせて一緒に食らうと、より絶品!

次に、お肉(焼豚)にもかけてみると、「うわっ、合うねえ!」というドンピシャ感。ステーキには濃い目のソースをかけるのが常の自分なのだが、ちょっと辛味のついた醤油が合うのも必然で。和風ステーキとか、お箸でいただくお肉にピッタリだと思う。


ちなみに、正田醤油がオススメする用途は、
「お肉との相性が一番だと思っていますが、焼き魚や冷奴でもおいしく召し上がって頂けます。普通のお醤油をかけるのと同じ感覚でかけてお召し上がり下さい」

この醤油に対する反響も「ちょうどよい」、「思ったほど辛くなかった」、「もっと辛くしないの?」なんて声が上がっているほどで、辛さに白旗のアナタでも心配無用。

この『タバスコスパイシー醤油』は1本(150ml)180円。問い合わせは、同社のお客様相談室で受け付けている。

キモは2秒後に訪れる、本当にほのかな辛味。新境地を開拓したい方は、いつもの食材に、試しに“ダァーッ”とかけてみてください。
(寺西ジャジューカ)