日本メーカーの家電製品は海外でとても人気だが、中でもブランド力がとくに強いのはカメラではないか。デジタルの時代になっても、人気が衰えるどころかますます日本カメラの優秀さが目立っている感じ。
ところで、気になるのは「海外向けモデル」というものが存在すること。特別に何か仕様を変えているのだろうか。メーカーのオリンパスイメージングさんに聞いてみた。

同社の米国版サイトを見ると、見慣れたモデルがズラリと並んでおり、国内モデルと何が違うのかちょっと見分けがつき辛い。そこで、基本的な違いを教えてもらった。すると、
・海外市場に合った製品名に変更する場合がある
・海外向けにボディカラーを国内モデルと変えて販売していることがある
・電源ケーブルのコンセント形状をその地域の規格に変えている
・ヨーロッパ向け製品はAV出力をPalに初期設定している(日本、米国はNTSC)
・海外の販売会社の判断でセット内容が変わることがある
・ソフトウェアの初期表示言語が違っている
などを挙げた。

本質的な違いは6つのうち始めの2つ(商品名とボディカラー)であろう(残り4つは海外向けとして当然の違いなので)。ボディカラーのラインアップをよく見ると、米国向けのシリーズではエメラルドグリーンといった国内向けではあまり見かけないカラーを使っていたり、すべてのシリーズにブラックボディがあることに気づく。これが同社製カメラにおける米国向けボディカラーの特徴のひとつなのだろう。

もうひとつは製品名。海外では国内ではおなじみのブランド名「μ(ミュー)」がない。代わりに「STYLUS(スタイラス)」となっている。
ほか、「E-300」が「EVOLT E-300」となっている。これはどうしてか。
「μ(ミュー)の発音がアメリカでは発音しにくいという話があり、アメリカではスタイラスと変えました。フィルムカメラの時には、μのあとに発音記号をつけていたくらいです」「EVOLTは新製品を出す際に、愛称のような呼び名を付けたいという現地法人の考えがありました」
ほかに類似名があるといった商標的な問題ではないという。

機能的には国内と同じカメラを海外でより多く販売しようとなると、ブランド名やボディカラーなどをその国で親しみやすいものにする必要があるわけだ。
(羽石竜示)
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