「2010年夏、ゾンビは一般教養になった」
と書いたけど、ゾンビ先進国のアメリカ合衆国では既に大学の授業にもなっていた。

今回ゾンビの授業が始まったのはメリーランド州のボルチモア大学で、講座名は「Media ganre : Zombie」。
ゾンビがいつのまにかメディアの一ジャンルになっている!気になる授業の内容は、16個のゾンビ映画やマンガ(ゾンビがサメと戦うイタリアのカルト映画「Zombi 2」 も含む、と書いてある)を観て、期末には自分で考えたゾンビ映画のシナリオを出す。夢のような講義だ。しかもボルチモア大学だけではなく、他に3つほどゾンビの授業を持つ大学がある。

大学に授業があるだけでもすごいが、ニュースでの取り上げられ方もすごい。ボルチモア大学の授業を知ったのは日本語のニュースだったが、元を調べてみたら、ワシントンポストAOLBBCABCとそうそうたるニュースサイトで取り上げられている。タイトルも「ゾンビがバルチモア大学のカリキュラムに忍び寄る(THE BALTIBORE SUN)」
「ゾンビがバルチモア大学のカリキュラムを乗っ取った(BBC)」などノリノリ。

記事の内容も濃い。たとえばワシントンポストのWEB版は 5000 文字、2 ページ に渡って「28日後…」「ショーン・オブ・ザ・デッド」「ドーン・オブ・ザ・デッド」「ゾンビランド」「プライドと偏見とゾンビ」を引き合いに出しつつ、人種差別を示唆するヴードゥー系~ヴェトナム戦争を彷彿とさせるロメロ系~9.11以降の細菌テロを思い出させるウィルス系に至るゾンビの変遷、2007年からゾンビの授業を始めたコロンビア大学の先生のコメントまでカバーして読み応えはバツグン。(ワシントンポストといえば全米第5位の発行部数。日本の第5位は日本経済新聞だから、つまり日経 WEB 版がゾンビについてがっつり二ページの記事を書いているかんじになる。すごい。)

アメリカがうらやましい。
だが、ボルチモア大学で授業を持つ Arnold Blumberg さんの共著「ZOMBIEMANIA」で 85 本のゾンビ映画を紹介しているのに対し、日本のゾンビ映画ウォッチャー伊藤美和さんの「ゾンビ映画大事典」は、アメリカ以外にイタリア、アジアもカバーして 360 本。「アイアムアヒーロー」「HIGHSCHOOL OF THE DEAD」と国産のマンガ、アニメも出てきたし、「デッドライジング」シリーズは世界で人気。噂によると人気シリーズ「龍が如く」の最新作もゾンビが出るらしい。日本もポテンシャルでは負けていないはずなのだ。だから逆に考えよう。きっと日本のゾンビはこれからなんだと。特に今年は調子がいい。このままいけば来年か再来年にはどこかの大学でゾンビの授業が始まるかもしれない。そしたら有給取ってもぐりこんで、男子学生、女子大生の白い目をものともせずに、現役時代にもしなかった積極的な質問を浴びせてみたい。(tk_zombie)
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