私が勤めている会社の休憩所には、置き菓子BOXが設置されている。箱の中に収められた菓子の中から好きなものを選び、備え付けの代金回収箱にお金を支払うというシステム。
コンビニへ行く手間が省けるので、小腹が空いた時にはよく利用している。先日、BOXのお菓子ラインナップの中に、「ベビースターラーメン」が加わっていたので、大のベビースターファンである私は早速購入。

自席に戻って早速袋を開け、いざ食べようと思って動きが止まった。どうやって食べればいいんだろう……。普段、私がベビースターを食べる際は、袋を口につけて傾け、ダイレクトにいただくスタイルを取っている。が、オフィスでそれをやるには、ちょっと勇気がいる。かといって、袋から少量を手のひらに取り出し、それを口に持っていくというのも、割と大きな動作が必要となり、なかなか恥ずかしい。しかも、口に入りきらなかった麺たちが手のひらの隙間からこぼれたりもする。ああ、もっとクールに食べたい!

みんなベビースターラーメンをどうやって食べているの? と、気になって意見を集めてみると、「袋の中に手を入れて一つまみずつ食べる」「一旦手のひらにとって、それをもう片方の手でつまんで食べる」「袋を傾けてザーッと一気に」「落とさないように、ベビースターをつまんだ指先を口の中に“半ば入れるようにして”食べる」と、人それぞれで、スマートさという点ではどれも決め手に欠ける。以後、私はベビースターのクールな食べ方についてあれこれ頭を悩ませてきたが、ある瞬間、素晴らしいアイデアに行き当たった。そうだ、“おちょこ”だ!

まず、開封前に袋の上から10~20回ほどよく揉む。これにより、麺が細かく砕け、大きさが均一になる。
開封し、中身をおちょこに注ぎ入れる。そう、あの日本酒を飲む時の“おちょこ”である。そしておちょこをクイッと豪快に傾ける。このやり方なら手を汚すことも、こぼすこともなく、適度な分量で食べることができるのである。見た目としても非常にクール。渋みさえ漂う。徳利の中にベビースターを移し入れておけば、なおさら粋であろう。しかし、考えてみれば、もともと「オフィスでベビースターを食べるには?」と試行錯誤していたのだった……。仕事をしながら延々おちょこを傾けるということのリスクは想像に難くない。職を失う危険性も感じる。私は一体どうしたらいいのだろう!

こうなったら、と、ベビースターラーメンの販売元・おやつカンパニーの広報担当・林氏に「正しい食べ方」について問い合わせてみたところ、「ベビースターラーメンに関しては、“1本ずつ食べる”、“手のひらにとって口に運ぶ”など色々な食べ方がありますが、特定の食べ方を推奨しているということはありません。食べる方が、思い思いの食べ方で楽しんでいただければと思います」との回答をいただいた。
……そうですよね! 「ベビースターラーメン is FREE!」と、思いつつも、どこかすっきりしないものを抱えていた私に、広報担当の林氏はこう告げた。

「当社には、ベビースターをひとくちサイズに固めた“ラーメン丸”という商品がありますが、こちらは『ベビースターは食べにくい』『こぼれやすい』という 消費者の皆様の声をヒントに生まれたものなんです。つまんで食べやすい上、カップに入っているので、オフィスのほか、自動車のドリンクホルダーに入れてもお楽しみいただける商品です」

なるほど……ラーメン丸なら、気軽にオフィスで食べられる。あれは、私と同じようにベビースターラーメンの食べ方に困った先人たちによって生み出された商品だったのか! この「ラーメン丸」は、9月末に大きくリニューアルされ、さらに美味しくなったという。特設サイトもオープンしたのでぜひチェックしてみよう!
(スズキナオ)
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