男性用小便器に書かれている「的」。一般的にはターゲットマークというらしい。
これがあると、男性が的をめがけてオシッコをするため、便器からオシッコが漏れる事態が激減するという、かなり便利なしろものである。

ターゲットマークの歴史は意外に古く、便器メーカーのTOTOでは1980年代後半から、ハエや◎(二重丸)のマークを焼き付けたものを販売していたらしい。日本で本格的に普及したのは5年ほど前で、関西国際空港で導入されたことがきっかけの一つ。現在は便器に貼付け可能な「シールタイプ」が普及しており、男心をくすぐる様々なバリエーションが生まれている。

最近、人気を博しているのが、オシッコがかかると色が変わる、可変型の、ガンダムで言えばゼータガンダム的なタイプである。例えば、炎のターゲットマークにオシッコをかけると色が薄くなり、本当に「消火」したかのような満足感を味わうことができる。
男なら誰しも消防士に憧れた時期があるものだが、そんな昔の夢を思い出させてくれる一品である。

この技術を応用し、最初は黒く塗りつぶされているが、オシッコを書けると中から「当」とか「777」といった、何やらおめでたい文字が浮き上がってくるタイプもあり、ギャンブル好きにはたまらない。

そして現在、ターゲットマークの最も進化したバージョンとして注目を集めているのが、立体型のシール。最も有名なのが、「アタルーニョ」という商品で、燃料タンクや空き缶が立体構造になっており、実際にオシッコが中に入るという、かなり革新的なものだ。もちろん、中にたまりっぱなしなのは不潔なので、底には穴があいており、時間が経てば中は空になるという心憎い仕組みが施されている。

ただ、(株)INAXメンテナンスに問い合わせてみたところ、「個別の販売も受け付けていますが、トイレのメンテナンスを依頼されたときに事業者さんに紹介するような感じで、販促品的な意味合いが強い」らしく、見た目のインパクトの割にはレアな存在といえる。
どうしても利用してみたい場合は、INAXメンテナンス社を訪問してトイレを使わせてもらうか、「中央自動車道のどこかのサービスエリアに貼られているらしい(INAXメンテナンス担当者)」ので、そこを探して利用するか、個人的に購入して利用するかの、いずれかをおすすめする。

ちなみに、もうひとつのオシッコ飛散防止策に、便器の前に貼られている「一歩前へ!」といった内容の看板があるが、これを「一歩前に出て、オシッコが便器に入るようにしましょうね」という注意ではなく、「もっと積極的に生きようぜ!」という人生の応援歌であると受け取ったのは、筆者だけではないはずだ。

いずれにせよ、女性には全く関係ない話で、失礼しました。
(珍満軒/studio woofoo)