ウナギを食べる日と言えば、毎年7月後半にやってくる夏の土用丑の日。しかし、以前のコネタ『冬にも「丑の日」があった』でも紹介したとおり、土用丑の日は、実は春夏秋冬それぞれの季節にある。
今年の冬の土用の丑の日は、暦の関係で1月22日と2月3日の2回。まもなくこの季節がやってくるわけだが、この「寒の土用丑の日」を定着させようと取り組んでいる人たちがいるという。冬にもウナギを食べようと呼びかける『うなぎのまち岡谷の会』。昔、天然のウナギが生息していたという諏訪湖に面し、今でも消費量は全国上位にランクインするという長野県岡谷市。この街でウナギ料理を扱う事業者が一丸となり、全国に向けて情報発信しているのだ。

彼らがこの呼びかけを始めたのは、「ウナギが一番おいしい季節は冬」であるから。
そう、ウナギの旬は冬なのだ。『うなぎのまち岡谷の会』会長の今野さんによると、ウナギは寒い時期を乗り越えようと脂をたくさん蓄えるため、冬にさばくと手がつやつやになるほど脂がのっていて、身もやわらかくおいしいという。そもそも夏の土用丑の日に食べる習慣は、幕末の学者・平賀源内が、夏に売れないというウナギ屋に薦めた宣伝方法が大当たりしたのが始まりと言われている。それに、ウナギは夏バテ予防に良いとされるビタミンを豊富に含んでいるため、夏に食べるのも理にかなっているのだが、ウナギ屋としては、「夏はビタミン補給で夏バテ防止、脂がのる冬は味で勝負!」(今野さん)といきたいわけだ。

冬がおいしいのに売れないという状況を打開し、また、岡谷市の活性化にも役立ちたいという『うなぎのまち岡谷の会』。2003年には「寒の土用丑の日」を商標登録までしている。
さらに3年前からは、若手が企画して「岡谷寒うなぎまつり」が始まった。今年も2月11日に開催されるが、各店のタレをブレンドしたその日限りのミニうな丼の限定販売のほか、今年は長野県各地の名物・ご当地どんぶりの店も出店予定。また会場では、会のゆるキャラ『すわ湖太郎』と『う~なちゃん』に加えて、新たにウナギのコスプレをした萌えキャラが新たにデビューするという。ウナギのコスプレ!? いやいや、どんなキャラが飛び出すのか気になりますよね。

「子どもからお年寄りまで年代を問わず、岡谷のうなぎ、冬にもうなぎが定着するように、地元をまずしっかり固めて、活動をまわりまわりへと広げていきたい」と今野さん。消費者としても、せっかく旬を迎えているウナギを食べないのはもったいない! 今年の「寒の土用の丑の日」は、ぜひウナギを食してみてください。

(ミドリ)