そんなぶしつけな質問に答えてくれたのは、書道セラピスト養成学校の講師をしている書道家うどよしさん。お話によると、「書道セラピーは、まだまだ普及段階ですが、確実に人数も増えてきている」そう。では、実際にどんなことを最初に教えているのかと聞いたところ、まずここではうどよしさん流の書道を覚えるところからはじめます。
一般の書道は学校でも教えているように、文字の終わりや角に、筆を止めたりして力をいれ、最後に筆をはねさせることで、「とめ」「はね」「はらい」でアクセントをつけるのがふつうです。ところが、うどよしさんの指導する書道のかたちは、この「とめ」「はね」「はらい」がないのです。書道セラピーを教えるときに、この「とめ」「はね」「はらい」を使うと、上手い字を書こうとして、なかなか自由な気持ちになりにくい。だから自由に文字を書きにくいのだそう。さらにふつうの書道では、楷書・行書といったふだん使わないような日本語を書くのも、気を使ってしまい、セラピー的にはなかなか心を開放できないのだとか。
ふつうのペンで書くのと同じように、筆で文字を書くことがこの書道セラピーに向いている理由だとも。「とめ」「はね」「はらい」が気になると、自分の感情を形式に縛られてしまい、フラットな状態で文字を書くともっとラクになれるのだそう。
セラピーの効果としては、「墨の香りをかぐことも含め、普段と違うことを書いたり、普段と違うことをしているので集中するので、頭の切り替えが出来るところが良いところです。
では、おもむろにカシハラも体験してみました。書く文字は自由なので、好きな漢字を選びます。見本を先生に書いてもらい、一心不乱に字を書きます。う~ん、たしかに集中しますね! 俗世間とは切り離された感覚です。これはいい!!
書道セラピーは、なかなか落ち着いた時間を作れない現代人にはぴったりですね~。
(カシハラ@姐御)