エキサイトレビューでは主に再現レシピを中心に活動している食いしん坊の僕。普段は馬場企画という編集プロダクションに所属しています。
でも我が社に「馬場」という人間はいません。名前の由来は、最寄り駅でもある高田馬場。そんな事務所の立地もあってか、時折「早稲田にある神社のお守りって効くんだって!?」と聞かれたり「穴八幡のお守りが効くらしいよ。俺の知り合いでも……」と熱弁をふるわれたり。そんな周囲の反応を見ていると地元民の想像以上に、あちこちで「早稲田・穴八幡の御守がすごい!」という話になっているようです。

そのお守りというのが「一陽来復御守」(初穂料800円)。
毎年冬至から節分までの間のわずか1か月半のみ、わけて頂ける「金銀融通の御守」です。商売繁盛、金運上昇のお守りとして絶大な効果があると評判で、その年度の御守が初めて登場する冬至には、明るくなる前から行列ができるほど大人気。松の内が明け、小正月となって初詣客が一段落しても、土日の穴八幡には参拝客が引きも切らずに押し寄せます。

それほど有り難い「一陽来復御守」ですから、そう簡単に御利益が得られると思ったら大間違い! この御守にはお祭りするタイミングや位置、方向など細かい決まりごとがあります。まずお祭りできるのは、年間で冬至、大晦日、節分の3日間のみ。それも夜中の12時ピッタリにお祭りしなければなりません。
おまけにその年の恵方と反対側の壁や柱の高いところから恵方に向けて、はがれないようノリでしっかりと貼りつけます。恵方という概念もかなり細かく、今年は巳午(真南からやや東寄り)の方向に向けて、室内の亥子(真北からやや西寄り)側の壁や柱の高いところに貼りつけます。一昔前ならこの作業も一苦労だったのでしょうが、ケータイやスマートフォンのコンパスアプリが使えそう。いい時代になったものです。

さてサラッと「冬至から節分までの間にわけて頂ける」、「お祭りできるのは、年間で冬至、大晦日、節分の3日間」と書きましたが、今日はもう2月2日。そう! 明日の節分の晩にお祭りせねば冬至まで待たねばなりません。
300日以上も待つなんてツラ過ぎる! というわけで、都心近郊の方はぜひ今日明日中の穴八幡詣でをおすすめしたい! いや実は他にもいま行くべき! な理由はあるのです。

理由其の一~この機会を逃したら次は年末

散々書いたので、くどくどは言いませんが、この御守は2月3日までしか受けることができません。12月22日の冬至まで待てない方は、何をおいてでも行くべきです。早稲田や学習院、日本女子大学などの学生に知り合いのいる人はお願いしてもいいでしょう。リミットは2月3日の午後5時。ちなみに朝は9時からやっているそうです。


理由其の二~待ち時間がなくて済む

一陽来復の時期であっても平日は圧倒的に空いています。穴八幡では松が明けても、土日となるとこのお守りを受けるために境内に数百という人がつづら折りになり、2時間、3時間待ちも当たり前。でも2月1日の夕方に御守を受けに参ったところ、想像以上に空いていて待ち時間はゼロでした。往復の時間さえ確保できれば御守も受けられるはず!

理由其の三~神様に失礼をせずに済む

本来神様にお参りをするときには手や口のお清めが必要です。しかし一陽来復で混み合う時期、ほとんどの人は手や口を清めないまま、行列に並んでいます。穴八幡さまも「この時期はまあいいよ」と仰るかのように、お清めをする水場の手水舎(ちょうずや)から離れたところに行列エリアを設けていますが、やはりお清めした後に御守を受けた方が神様にも失礼に当たらないというもの。
ちなみに穴八幡さまの手水舎はセンサー式で、近づくと自動的に水が流れてきます。手水舎は参道を本殿に向かい、右側になぜか出店している「神田明神 天野屋の甘酒」の手前を右に曲がってください。ちなみに天野屋の甘酒の再現レシピはこちら

そして一陽来復とはあまり関係ありませんが、穴八幡さまの近辺には早稲田の学生が足繁く通う飲食店の名店が軒を連ねています。鳥居の向かいにはタイカレーの名店「メーヤウ」と、かやくごはんカツ丼も美味しいうどんの「ごんべえ」。馬場下町の交差点のはす向かいには、早稲田生向けの学生食堂と言っても過言ではない「キッチンオトボケ」など学生気分を味わえるお店が選び放題。
もう少し軽いモノを召し上がりたい方は、カレーうどんやカツ丼発祥の店と言われる、三朝庵でお腹を満たしてもいいのかもしれません。あ、ごはんの話になっちゃった……。と、とにかく「一陽来復御守」は、明日3日の夕方5時までです!(松浦達也)