世界一の朝食”で知られるレストラン「ビルズ(bills)」。ふわっふわのリコッタパンケーキで、一大パンケーキブームを巻き起こしたあの人気店に、さらなる“世界一”が登場する。

ビルズ創始者のビル・グレンジャー氏が<世界一おいしいコーヒー>と絶賛する、シドニー発祥のコーヒーブランド「シングル オリジン ロースターズ(Single Origin Roasters)」。12月1日には、同ブランドが日本国内のビルズのためだけにデザインした「ビルズJAPANオリジナルブレンド」の提供がスタート。これに先駆けて11月18日に開催された先行試飲会に行ってきた。

会場では、「シングル オリジン ロースターズ」のヘッドバリスタであるショーン・マクナス氏が「エアロプレス」で抽出したコーヒーを提供。コーヒーにはペーパードリップやネルドリップ、サイフォン、フレンチプレス、エアロプレスなどさまざまな抽出方法がある。空気圧をかけながら紙や金属のフィルターで漉すエアロプレスは1〜2分と短時間で抽出できる上、レシピ通りに入れれば誰が入れても同じ味を再現しやすいのが利点だという。

コーヒー豆をエアロプレスにセットし、お湯を注ぐ。専用のヘラ(あるいはスプーン)でかき回し、2分ほど待つ。コーヒーサーバーにセットし、注射器を押し込むような容量でプレスする。コーヒーの種類によってお湯の温度も、かき混ぜる回数もすべて決められている。

傍目には、プレスするときに相当な力を入れているように見える。でも、じつは逆で一気に押し込みすぎないよう、加減しているとか。「雨のしずくがポタポタッと落ちるぐらい」が頃合いなんだそう。

今回が日本初上陸となる「シングル オリジン ロースターズ」。2003年創業以来、瞬く間に成長を遂げ、
“サードウェーブコーヒーをけん引するキープレーヤー”として名高い。その理由を、ヘッドコーヒーバイヤー&エデュケーターのウェンディ・デ・ジョン氏はこう解説する。

「コーヒー農家との直接取引で生豆を調達しているのが、シングル オリジン ロースターズの強みのひとつです。生豆の熟し具合はもちろん、精製場所から豆を乾燥させる環境まですべて現地で確認した上で買いつけています」

一年のうち、約半分は生産地で過ごすというウェンディ氏。良質なコーヒー豆を求めて、アフリカから中南米まで世界各国を飛び回る。

「単に良いコーヒー豆を買うというだけではなく、生産者の方々との関係を構築することも大切です。
たとえば、ある農園で実験的に試みた精製法によるコーヒー豆を私たちだけに送ってもらうといったことも、これまでつちかってきた関係性があってこそ。ちなみに、豆を選ぶにあたって、コーヒーが持つ“甘さ”を重要視しています」



「ビルズJAPANオリジナルブレンド」は、エスプレッソやカフェラテ、モカチーノ、水出しアイスコーヒーの他、エスプレッソ使用のスイーツ「ティラミスフレンチトースト」でも楽しめる。

見た目からすると、かなり甘そうだが、ひとくち食べてみると思いがけず、さっぱりした味わい。エスプレッソのほろ苦さと、チェリーの甘酸っぱさが絶妙のバランスで、するするするりんといくらでも食べられる。危険! いっそ、体重計の存在なんて忘れて耽溺したい。
(島影真奈美)
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