今回は、毎月の取り崩しのほかに、医療費や介護費なども踏まえて試算してみました。
■毎月3万~4万円を取り崩すとどうなる?
総務省の家計調査(2025年平均)によると、65歳以上の世帯では、収入より支出が月3万~4万円ほど上回るケースが多く見られます(無職夫婦のみ世帯では約4万2000円、無職単身世帯では約3万円が不足)。
そこで、今回はこの不足分(3万~4万円)を毎月取り崩していくと、2000万円は何歳まで持つのか、資産寿命を試算してみましょう。
例えば、夫婦世帯で毎月4万円を取り崩す場合は
・2000万円÷4万円=500カ月(約41.7年)
・65歳+約41.7年→約106歳
また、単身世帯で毎月3万円を取り崩す場合は
・2000万円÷3万円=約667カ月(約55.6年)
・65歳+約55.6年→約120歳
夫婦世帯・単身世帯ともに貯金が2000万円ほどあれば、その資産寿命は100歳を超える計算になります。
■介護費や医療費を考える場合
こうして見ると、2000万円あれば十分生活できるように思えますが、ここで見落としがちなのが、介護費や医療費といった将来のまとまった支出です。
生命保険文化センターの調査(2024年度)によると、過去3年間に介護経験がある人に「どれくらい介護費用がかかったのか」を聞いたところ、一時的な費用の平均は約47万円、月々にかかる費用の平均は約9万円でした。仮に介護期間が5年(平均的な目安)続いた場合、合計で約600万円程度になる計算です。
実際のライフマネープランでは、こうした支出は毎月の生活費とは別に考えます。そこで貯金2000万円のうち、仮に、介護・医療費として1000万円を先に確保し、残りの1000万円から生活費を取り崩していくと、資産寿命はどうなるでしょうか。
夫婦世帯で毎月4万円を取り崩す場合で計算すると
・1000万円÷4万円=250カ月(約20.8年)
・65歳+約20.8年→約85歳
単身世帯で毎月3万円を取り崩す場合で計算すると
・1000万円÷3万円=約333カ月(約27.8年)
・65歳+約27.8年→約92歳
このように、介護・医療費を確保するかどうかで資産寿命は20年近く変わってきます。さらに、この計算は「毎月の取り崩し額が一定」というシンプルな計算です。実際には物価上昇や生活環境の変化により、取り崩し額が増える可能性もあるので注意が必要です。
老後資金は「いくらあるか」だけでなく、「実際に取り崩せるお金はいくらか」で考えることも重要です。自分の生活では毎月いくら不足するのか、そしてどこまで備えておきたいのかを整理し、計算式に当てはめて一度試算してみてはいかがでしょうか。
参考:家計調査報告 家計収支編 2025年(令和7年)平均結果の概要
介護にはどれくらいの費用・期間がかかる?(生命保険文化センター)
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