老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。
そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、妻が専業主婦だった場合と、会社員経験がある場合で、加給年金に違いがあるのかについて解説します。

■Q:専業主婦の妻と会社員経験のある妻では、加給年金に違いはありますか?
「妻が専業主婦の場合と、会社員経験がある場合で、加給年金の扱いは変わるのでしょうか?」(60代・男性)

■A:妻の厚生年金加入期間が20年以上あるかどうかで、加給年金の有無が変わることがあります
加給年金は、厚生年金に原則20年以上加入している人が65歳になったとき、生計を維持している65歳未満の配偶者などがいる場合に、老齢厚生年金に上乗せされる年金です。いわば「年金の家族手当」のようなものです。

ただし、妻が専業主婦だったか、会社員経験があるかによって、加給年金の扱いが変わることがあります。ポイントは、妻自身の厚生年金加入期間が20年以上あるかどうかです。

妻がずっと専業主婦だった場合や、会社員経験があっても厚生年金の加入期間が20年未満の場合は、夫の加給年金の対象になる可能性があります。

一方で、妻に厚生年金の加入期間が20年以上あり、妻自身に老齢厚生年金を受け取る権利がある場合は、夫の加給年金が支給されない、または支給停止となることがあります。これは、妻自身が厚生年金に長く加入しており、自分の老齢厚生年金を受け取れるためです。

つまり、専業主婦か会社員経験があるかだけで判断するのではなく、「妻の厚生年金加入期間が20年以上あり、かつ妻自身に老齢厚生年金を受け取る権利があるかどうか」が重要です。会社員経験があっても厚生年金の加入期間が20年未満であれば、加給年金の対象になる可能性があります。また、加入期間が20年以上あっても、妻自身に年金を受け取る権利がなければ、夫の加給年金は支給停止になりません。


実際に加給年金が受け取れるかどうかは、夫の厚生年金加入期間、妻の年齢や収入、妻自身の年金の受給権などによって変わります。年金請求時には、年金事務所やねんきんダイヤルで確認しておくと安心です。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
編集部おすすめ