とはいうものの、そこはやはり自然のこと。一見いつもと変わらず穏やかそうな海に見えても、実は潮の流れが強く、立っているのもやっとということもあるのです。
そこで今回タモン湾の潮流が早いときはどれくらいなのか検証してみようと思い、日本でスポーツインストラクターをされ、グアムではトライアスロンやオーシャン・スイムの大会にも出場されている伊藤亜季さんに、潮上から潮下へ、そして潮下から潮上へ泳いでいただき、それぞれのタイムを計ってみましたよ!
タモン湾に潮流が発生するときは湾の左手から右手に向かって流れるので、まずは泳いでいてもわかるような海中の目印を探してスタートとゴール地点を決め、スタート地点に伊藤さんに立っていただき、ゴール地点にタイムキーパーを用意。この約80メートルの距離をいつものように泳いでいただきました。
結果は……潮上から潮下までは1分6秒かかり、ほとんど泳がなくてもよかったくらいだったそうですが、逆に泳いでいただいたところなかなか進むことができず、とうとう半分くらいの地点でギブアップ! ここまで3分57秒!
「まさに侮るなかれ! 思った以上に潮の流れが早く、潮上に向かって泳ぐときはクロールでは泳ぎきれなかったので、足のキックが使える平泳ぎに切り替えたものの、それでも全然前に進みませんでした! 特にタモン湾の真ん中辺りは本当に流れが早かった」と、グアムで泳ぎ慣れている伊藤さんもびっくり!
それでは今度は短い距離で試してみようと約25メートルを泳いでいただいたところ、行きは23秒で帰りは1分ちょうど。やはりだいぶ早さが違います。
さらに北海道から旅行でいらしていたエリカさんとミキさんにご協力いただき、同じく25メートルを泳ぐことなくお手持ちの浮輪で流れに身を任せていただいたところ、ぷかぷかと順調に(!?)流されていき、途中「おもしろ~い」という歓声をあげながら1分23秒でゴール!
これは流れに逆らうように海中を歩くだけで一苦労だというのもうなずけます。
そこで伊藤さんはトライアスロンの練習もタモン湾でされているとのことだったので、潮の流れが早い時の注意点を教えていただきました。
「シュノーケリング・ポイントとして有名なYpao Beach(イパオビーチ)も全体に遠浅。リーフ近くでも足がつくと安心してシュノーケリングをしていると、気がつくと潮が満ちて足がつかなくなっていることもあるので、パニックを起こさないよう気をつけてください。またGun Beach(ガン・ビーチ)は沖に向かって引いていくリップが強いことでも有名。
潮上に向かって泳ぐ途中、泳ぎをやめて流れにカラダを任せたり、両足を抱えて体育座りのような格好で浮かんでいると気持いいほどよく流されましたとおっしゃていましたが、泳ぎの下手な私が試してみると、泳いでいるはずなのに、なぜか後ろに進んでいくという怪奇現象(!?)が起こります(苦笑)。
春休みシーズンにもたくさんの方たちがグアムに遊びに来てくださると思いますが、一見穏やかでも海の力は計り知れません。ちょっとでも危ないと思ったら無理をせず、常夏の島グアムを楽しんでくださいね!
(鶴賀奈穂乃)
*今回はすべて腰高くらいの水位の場所で検証を行いました