「ダンス対決!」ちゅどーん!
「お菓子づくり対決!」ちゅどどーん!
「お勉強対決!」ちゅどどどーん!

それぞれ、自分の得意分野を活かして敵とたたかっていく。アイドルのキュアレモネード(Yes!プリキュア5GoGo!)ならカラオケ対決、古武道を習っているキュアサンシャイン(ハートキャッチプリキュア!)なら武術対決。
個性豊かなプリキュアたちを引っ張っていくのはキュアルージュ……って、おおーこんな展開が観たかった!

3月19日から公開の、「映画 プリキュアオールスターズDX3 未来にとどけ!世界をつなぐ☆虹色の花」から「イエローチーム」のパート。

「プリキュアオールスターズDX」シリーズは、歴代プリキュアたちから新人プリキュアへと、プリキュアの魂と意思をリレーしていく物語。
こんどのプリキュアはこの子たちですよー、というお披露目を果たしている映画でもある。今回は「スイートプリキュア♪」のキュアメロディとキュアリズム。

歴代劇場版のボスキャラクターたちが何者かの力によってよみがえり、すべてを暗黒の世界にしようと、プリキュアたちと妖精たちとの世界を結んでいる奇跡の花、プリズムフラワーをねらってくる。プリズムフラワーの力がうばわれたら、メップルやハミィたちに二度と会えなくなる……! 
「ふたりはプリキュアMaxHeart」から「スイートプリキュア♪」まで、21人のプリキュアたちが、敵の力によってキュアブラックやキュアメロディたち主人公中心のピンク、キュアイーグレットやキュアベリーたち主人公のサポートチームのブルー、攻撃防御、両方に長けた個性派ぞろいのイエローという3つのチームにシャッフルされる。
今まで培ってきたコンビネーションも意味を成さないし、合体必殺技も使えない。今までプリキュアたちが経験したことのない試練となっていく。慣れないメンバーとの共闘に四苦八苦しながら、他のみんなと合流するため、プリズムフラワーを守るために戦っていく!

〈何と言ってもクロスオーバーものでいちばん盛り上がって、カッコイイのは、違う世界観の登場人物達が会うシーン〉「プリキュアオールスターズDX」シリーズの脚本家、村山功さんはインタビューでそういった。
「あなたたちもプリキュアなのね」。記念すべきシリーズ第1作目「映画 プリキュアオールスターズ みんなともだちっ☆奇跡の大集合」で、ピンチになったキュアアクアたちを、先輩である「ふたりはプリキュアMaxHeart」のブラックやキュアホワイトが主題歌をバックに助けにくるシーンがあった。今まで戦ってきたのは自分たちだけではなかったとプリキュアたち自身が気づく。
思えば、このセリフに「DX」シリーズの魅力が集約されている。

でも、俺は毎回、たとえばアクアとホワイトがシリーズを超えて一緒に行動したらどんな風に戦うんだろう。せっかくすべてのプリキュアがいるんだから、バリエーションたっぷりにチーム分けして欲しい、と思っていた。だって、過去作、「DX1」や「映画プリキュアオールスターズDX2 希望の光☆レインボージュエルを守れ!」では、例えば「Yes!プリキュア5GoGo!」のキュアドリームやアクアたち6人はほとんど一緒に行動していたからね。

〈3作目だからこそ、話の積み重ねがあるからこそシャッフル出来た〉と村山さんは言う。
「DX1」で出会い、「DX2」で絆を成長させてきたからこそ、ようやくシャッフルさせていいんだなー。


今回は歴代「DX」でもっともキャラクターがいきいきしている。例えば俺の1番好きなプリキュア、キュアルージュ。
ルージュのいるイエローチームの舞台は「映画 フレッシュプリキュア! おもちゃの国は秘密がいっぱい!?」に登場のスゴロクエリアだ。「プリキュアたちが止まったマス目に書かれている条件を、実際にクリアしないと進めない」というバーチャルアトラクションになっている。(この装置が現実にあれば俺もプリキュアのいる世界に行けるのに……)。

スゴロクエリアで何も考えずにサイコロを振るレモネードに、目玉を飛び出させながらの突っ込み。
プリキュアたちってたいていボケキャラだから、ルージュみたいに元気よく体全体で突っ込めるキャラはいないんだよね。
「レモネード、遊ばなーい!」
この状況を1番楽しんでいたのもルージュかも。ボウリングエリアに飛ばされたときの、「またインチキなんでしょ!? ってやっぱり!」という台詞。直前のゲームも、インチキだったんだけど、そういえば「5GoGo」36話で、敵キャラ、ムカーディアの罠で、何をしてもクリアできないアトラクションをプレイさせられていたので、「敵が用意するゲームは全部インチキ!」という記憶がよみがえったんじゃないかなあ。でも、挑まれた勝負からはけっして逃げないのがルージュの良いところ。真っ先にボウリングのピンを倒していた。


ピンクチームやブルーチームが、敵キャラのムシバーンやフリーズン、フローズンたちとシリアスに戦っているのとは対照的に、イエローチームはギャグシーンのオンパレード。トイマジンやサラマンダー男爵もお目目をパチクリさせるシーンがあったり、敵側にもギャグ要素が多くなっている。「映画ハートキャッチプリキュア!花の都でファッションショー・・・ですか!?」では、あんなにクールだったサラマンダーが……!

敵キャラクターたちと野球対決をするシーンでは、プリキュアに変身したまま、ユニフォームやチアガールの衣装に着替えているのだよ! これは「フレッシュプリキュア!」31話で、キュアピーチたちがユニフォーム衣装を着ていたオマージュだ。チア服は「Yes!プリキュア5GoGo!」のエンディング「ガンバランスdeダンス~希望のリレー~」のイントロシーンでのぞみたちが着ている服が元かな?

バトルでのアクションシーンが激しいのもプリキュアの魅力のひとつだけど、変身しないで、日常生活を楽しんでいる彼女たちを観ていたいってのもまた事実なんだよなー。
「DX1」のエンディングで、舞台になっている横浜の中華街で楽しそうに遊んでいる姿を観た人なら、そう思いません?
監督の大塚(隆史)さんは、〈考えたことすらなかったんですよ。変身して戦うからこそプリキュアだと思いますので〉と語っていた
でも、変身しているうえに、キャラクターをシャッフルしてのキャッキャウフフがようやく観られるんだよー!
野球のシーンでは、シャイニールミナス、レモネード、キュアパインの可愛い系プリキュアがチアになって応援。勝気で自信家なミルキィローズは監督風に指示して、ルージュ、キュアパッション、キュアムーンライトという高攻撃力組がバッターで活躍。それぞれタイプの似たキャラたちが協力する。こういうのをずっとずっと待ち望んでいたんだ!

ピンクチーム、ブルーチーム、イエローチームが危機を脱して合流してからのシーンはぜひ自分の目で確かめて欲しい。絶望の淵に立たされたプリキュアたちが、「絶対に諦めない!」と立ち向かう。こんなときだからこそ、ぜひ観て欲しい。今回で最後!? の「プリキュアオールスターズ」。もうみんなには会えなくなってしまうかもしれない。でも、プリキュアを応援する気持ちはつながっている。みんな同じ空の下にいる! だから俺は、プリキュアたちに会い、応援するために何度も劇場に行くんだ!(加藤レイズナ)