トレーディングカードのような王道から、ほとんどの人がその存在すら知らないであろう「ダムカード」、年号メガネの画像や自分の似顔絵など、とみさわさんのコレクションは多岐に渡る。なぜこれを集めようと思ったのか、不思議なモノばかりだけど、並べて眺めると笑いがこみ上げてくる。価値あるモノを集めるのではなく、集めることで何かが発生するような、そういうタイプのコレクションだ。
だからとみさわさん自身、集めたアイテムそのものにはあまり執着がないという。むしろ、何かを集めている人の行動や生態に興味があった。それなら、いろんなタイプのコレクターを集めたら面白いんじゃない? これが「蒐集原人の夜」のコンセプト。参加したのは元・たまのメンバーでミュージシャンの石川浩司さんと、グラフィックデザイナーの永井ミキジさん。イベントはまず、石川さんの「缶ドリンクコレクション」の話から始まった。
現在、自宅に約2万種以上の空き缶を保有している石川さん。「僕の体を作ったものだけがコレクションになる」というルールを課しているため、どれも実際に飲んだものばかりだ。本来、ゴミとして捨てられるものを保存することに興味があるから、コレクターを意識したアニメ柄の缶などはあんまり好きじゃない。見知らぬ町をブラブラしながら掘り出しモノを探して歩くのが基本スタイル。旅と発見のヨロコビが、石川さんにとってのコレクションなのだ。