最近、家庭でも少しずつ普及しているLED電球。低消費電力・高寿命が特徴のため、福島第一原発の事故から始まった節電の取り組みの中で、その存在がにわかに注目されている。
今回紹介するのはそのLED電球なのだが、ただのLED電球ではない。ふつうのタイプよりさらに節電効果があるというので、どんなものか見てみたい。

それは『ECOLUX 人感センサー付LED電球』(アイリスオーヤマ)で、赤外線センサーが人に反応して自動点灯し、センサー感知範囲から離れると約5分後に自動消灯する。明るさは一般電球20W形相当。寿命は4万時間で、1日10時間使用しても10年以上取り替えが不要(一般白熱電球の寿命の約40倍)。消費電力は20W形の一般白熱電球に比べ3分1だ。

では、人感センサー搭載により一般的なLED電球と比べ、どの程度節電効果があるのか。アイリスオーヤマさんに聞いた。
基本的に、同製品はセンサーを作動させる回数によって電力消費量が異なるという。具体的な比較では、
○一般的なLED電球の電力消費量(1日9時間使用する廊下に設置した場合)は37.8Wh(※1)。
○人感センサー搭載LED電球(1日9時間使用、それ以外の時間はスイッチオフ)で、1日の出入りが12回の場合は10.8Wh(※2)。
したがって、人感センサーLED電球のほうが、常時点灯させているLED電球に比べ28.5%の電力で済む。

○同上の人感センサー搭載LED電球で1日の出入りが54回(4.5時間点灯に相当)の場合は29.7Wh(※3)。
同じく78.5%の電力消費量に抑えられるそうだ。やはり、かなり違うものだ。

ところで、赤外センサーは人の大きさや動き、それとも体温に反応するのか。いずれの場合も個体差による反応の違いはあるのか。
「温度変化に反応します。個体差ではなく温度差に反応するので、周囲の温度と人体の温度が近くなり、温度差がない場合には感知しにくくなることがあります」
なるほど、温度が重要なのですね。

最後に、明るさを「20W形相当」に設定したワケは。また、今後さらに明るいタイプの予定はあるのか。
「常時人がいる場所ではなく、廊下や玄関・倉庫など一時的に照明が必要になる場所に適した明るさということで、20W形相当に設定しました。現時点ではさらに明るいタイプの具体的発売予定はありませんが、必要に応じて今後ラインアップに追加していく可能性はあります」

ずいぶん便利でエコなLED電球が出てきたものだ。皆さんもLEDに替えて節電しましょう。

(羽石竜示)

※1 当社LED電球「LDA4N-H-V4 4.2W」で計算
※2 1回通ると点灯し、5分間継続点灯した場合を想定。12回=1時間分に相当。(点灯時6.0W×1時間)+(消灯時0.6W×8時間)で算出
※3 ※2と同想定で、(点灯時6.0W×4.5時間)+(消灯時0.6W×4.5時間)で算出
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