渡部陽一さんで一躍有名になった職業「戦場ジャーナリスト」。「戦場ジャーナリスト」って普段なにしているの? という素朴な疑問を戦場ジャーナリストにぶつけてみた。


答えてくれたのは村上和巳さん。まず戦場ジャーナリストってどんな人を指すの? と聞いてみると「戦場ジャーナリストっていうのは、紛争地に出かけて取材をする人のこと。ただ現地に勝手に行って書く」人のことだそう。戦場ジャーナリストは、取材したあと帰ってきてから書いた文章を売るそうですが「売るのは大変です」と村上さん。はやり厳しい世界なんですね。

「学生さんによく戦場ジャーナリストになりたいって相談を受けるんですけど、ものすごい華やかなイメージを持っている。凄い裕福な暮らしをしていて外車にのっているとか、思い込んでいる。その中からたまにこの世界に入ってくる人がいるけれどたいてい絶望して1~2年で辞めてしまう。取材費用を稼ぐために、ひたすらバイトにあけくれていなくなる」のだとか。

さらに率直に、取材していて危なくないですか? と聞いてみると、

「よく戦場取材って命がけですよね? と言われるけど。そんなことはない。戦場取材で命なんかかけていたら命がいくつあっても足りない。
まず自分で行く地点や時期をきめられるし、取材して素材を持って帰る前提で出かけるのだから危ないことはしない。むしろ命をかけない方法をちゃんと考えられる。命かけちゃったら仕事にならない」そう。

今までは稀少な職業として会う人ごとに色々細かく質問を受けたそうですが、渡部陽一さんがテレビに出てくれるようになって一般の人に説明しなくてすむようになって助かっているんだとか。

「戦場ジャーナリストとは言っても、だいたいは紛争が起きてたまたま現地にいた人が
写真をとったり取材したりしていることが多い。紛争のとき戦場ジャーナリストといわ
れる人が現地に300人くらいは出る。でもほとんどは普段、別の仕事もしている人」が実情と村上さん。

そうなんですか! では、戦場ジャーナリストって普段は何をしてるんでしょう? 
「私は日本にいるときは戦場以外の普通の取材をしている。紛争地であろうと、日本であろうと人間が生活している現場を取材することには変わりがない。今は、ずっと東日本大震災の被災地を飛び回っている。特に実家が宮城なので特別な感情を持って取材して」いると語ってくれました。

現在も村上さんは、宮城、岩手、福島、千葉の被災地を回り精力的に取材を行っているそうです。
ジャーナリスト魂は日本でも健在ですね!
(カシハラ@姐御)
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