一時期、毎日のランニングを自身に課していた。それこそ、1日に一時間強。
その後は、もうクタクタ。しばらく何をする気も起きないし、ハッキリ言って食欲も減退する。
この状態になると、食べられるメニューが限定されてしまうのだ。たとえば、このシチュエーションでのステーキはキツかった。揚げ物だって、シラフで食べたい。では、何がいいか? やっぱり、それは麺類だろう。
スルスル~ッと、口に入ってしまうから。

しかし、これはもっと打ってつけ。「麺屋武蔵 神山」(東京都千代田区)が7月15日~8月20日までの期間、1日20食限定で提供するメニュー『走快麺(そうかいめん)2011』は、走った後に食べていただきたい“ランナー向けラーメン”だ。

このラーメンを企画したのは、皇居近くのランナー向けコミュニケーション施設「ラフィネ ランニングスタイル」のランニングアドバイザー・木村ヤスト氏。同施設のオープン一周年を記念し、今回は「麺屋武蔵 神山」とコラボレーション。同店の齋藤店長の手によって、新ラーメンが開発された。


ちなみに、どこが“ランナー向け”なのか? まず麺の原料には、小麦の皮の部分である「ふすま」を焙煎して使用している。この「ふすま」とは玄米でいう“ぬか”にあたる部分で、食物繊維、カルシウム、鉄分が豊富とのこと。
「ふすまを使用したのは、このラーメンが日本初です。麺にして繋げるのが難しい食材なので、他店さんでも実現できなかったようです」(齋藤店長)

他にも、このラーメンならではの特長がある。『走快麺2011』には「マグネシウム」と「タンパク質」と「鉄分」が豊富なのだが、これらの栄養素はランナーにとって良い事尽くめ。具体的には、以下の通りだ。

マグネシウム:30種類以上の酵素の働きを助け、神経の興奮を抑えたり、体温・血液を調整する
タンパク質:筋肉や臓器の構成部分。酵素・抗体ホルモンの原料になる
鉄分:血液中で赤血球のヘモグロビンの成分になり、酵素の運搬に働きかける

これらの栄養素は木村さんからリクエストがあり、齋藤店長の手によって開発時に盛り込まれた。
「一般のランナーの方だと気付かないと思いますが、アスリートの体内でヘモグロビンが1下がると、マラソンの記録がすごく落ちてしまうんです。また、鉄分を多く摂ると足がつりにくくなり、タンパク質が多いと壊れにくい筋肉になります」(木村さん)

なるほど。ランナー向けなのはわかった。だが、味はどうなのか? 勿論、お店に行って確かめてきました!
早速、注文をすると目の前に出されたのは爽やかな冷やしラーメン。
そして、麺の色は黒いというか茶色いというか。野菜も多くて、鮮やかな色合いが目を引く。

これを、食べてみると……。おわー、ふすまの麺が香ばしい! そして、スープは鶏ベースでコクがあって味わい深い!!
一風変わっているのは、麺に添えられたジュレ。そこにはアサリだし、白きくらげ、レーズンと、爽快感極まりない食材たちが入っており、デザート感覚でお箸が進む。
他には、ほうれんそうと豆苗のナムル、セロリやズッキーニなど野菜のピクルスと、こちらに関してはサラダ感覚でいただける。
しかし、『走快麺2011』はライト感だけではない。2枚入った鶏のむね肉が、全体をビシッと締めてくれる。
食後の印象は、まさにサッパリ! 是非とも女性に試していただきたいラーメンだし、走った後のクタクタ状態で食べるのもいいに決まってる。

ただ、思った。このラーメンは、走る“前”に食べてもいいんじゃないか?
「アスリートは、走る前に軽めの食事を摂ることが多く、特に消化のよい麺類が最適です。これを『一般の方にも良いのではないか?』と考えたのが、ラーメン開発のきっかけでした」

「ただ、一般のランナーはダイエット目的の方も多いですよね。
走った後に『走快麺2011』を食べていただき、その後の就寝までにやたらな大量の食事を摂らせない。ダイエット効果をリセットさせない。そう考えたため、“走った後”とお勧め致しました」(木村さん)

そんな、この『走快麺2011』は平日14時から(土日は11時から)出される限定メニューとなっている。価格は850円(税込み)。

このラーメンにつられて、私も久しぶりにランニングを復活させてみようかな? そんな気分になるラーメンでした。もちろん、ランナーでなくても美味しくいただけるメニュー。事実、女性やサラリーマンにも人気があるそうです。
(寺西ジャジューカ)