もうみんな渡った? 東京の新しいランドマーク「東京ゲートブリッジ」
東京湾の埋め立て地・中央防波堤と江東区若洲を結ぶ約2.6kmの海上橋が12日(日)、めでたく開通しました。
開通に先立って5000人のランナーが橋を渡るイベントが開催されたり、開通一番乗りを目指して徹夜組が出たりというのはニュースでご存知の方も多いと思います。何よりも「通行無料」っていうのが嬉しい限りですよね。
さてさてこの「東京ゲートブリッジ」、恐竜が向かい合ってるように見えることから「恐竜橋」なんて呼び方をされたりもしていますが、私は別な呼び名を提唱したいのです。その名も「風車をつなぐ橋」。
お台場側の中央防波堤にも、もう一方の江東区若洲にも、東京でも屈指の風車が存在しているのです。そこで、日本で唯一の風車ライター・私オグマナオトが、まだどこのメディアでもあまり紹介されていない、東京ゲートブリッジをより楽しむための2箇所の風車を紹介したいと思います。


<あの青島刑事とも競演! 「東京風ぐるま」>
東京ゲートブリッジ・お台場側の中央防波堤の中にあるのが東京臨海風力発電所、通称「東京風ぐるま」です。2003年から運転が開始され、世界でも稀な、大都市における本格的な風力発電としても注目されています。
といっても、「え? お台場に風車なんかあったっけ?」という方も多いことでしょう。実はこの風車、立ち入りが制限されている埋め立て地の中に建てられていたため、近くまで行ってみることがこれまで難しかったのです。しかし、これからは違います。東京ゲートブリッジから見える2基の白い風車は、それ自体が東京の新しいランドマークとなる可能性大の存在です。


あ、でもこの風車、実は多くの方が見たことあるんですよね。というのも、先頃シリーズ完結を宣言した「踊る大走査線」の映画版「踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!」のラストシーンで、堂々青島刑事と競演を果たしているのです。
事件も解決し、湾岸書の引越も無事終わり、ホッと一息つく青島刑事。そんな青島刑事が未来を見据える視線の先にあるのが、ゆったりとマイペースに回る「東京風ぐるま」なんです。絶えず動いてなければらしくない青島刑事とずっと回り続ける風車、という構図が妙にマッチしていて、映画のラストシーンとして不思議な余韻を残してくれます。東京ゲートブリッジとともに是非とも要チェックです。


<別名「手塚風車」。若洲風力発電所>
お台場側から東京ゲートブリッジを渡り、海を越えた先にあるのが江東区立若洲公園。この公園にドンと鎮座しているのが「若洲風力発電所」です。高さ100メートル、羽の直径80メートルと日本で最大級を誇る巨大な風車で、初めて目にすればその存在感に圧倒されること請け合いです。
この風車の目玉はなんと言ってもタワー部分に大きく描かれた『鉄腕アトム』『火の鳥』をはじめとする、おなじみの手塚作品のキャラクターたち。風車のシンボルとして、漫画家・手塚治虫先生の生み出したキャラクターが取り入れられているんです(もちろん手塚プロ公認!)。
エネルギーの塊であるアトムとか、輪廻転生を繰り返す火の鳥とか、再生可能エネルギーである風車を彩る存在としてこれ以上のものはありません。
さらに風車のまわりには「サボニウス風車」や「パドル風車」「ジャイロミル風車」なんていう様々な種類の風車の模型が展示されていたり、アトムが解説してくれる風力発電紹介パネルがあったりと、風力発電を学べるなかなか貴重なスポットでもあります。
若洲公園自体、貸し自転車があったりキャンプ施設があったりと、様々な用途で楽しめる公園ですので、ゲートブリッジを渡った後はこの公園で楽しんで、そして風車を学んで帰りましょう。


東京の新しいランドマーク「東京ゲートブリッジ」。でもそこから見える風力発電も、また魅力的なランドマークだと思うのです。渋滞の緩和という機能面ももちろん大事ですが、橋から一望することができる風車をはじめとした風景も是非とも味わいたいですね。

今回紹介した風車だけでなく、日本各地にはたくさんのおもしろ風車や絶景風車が存在します。また機会があればそんな魅力的な風車たちを紹介したいと思いますので、あなたの知ってるオススメ風車があれば、ぜひ教えてくださーい。
(オグマナオト)
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