あさの 子供の頃から漫画とかを読んでいても、元々から潜在能力が高かったり、他の子とは違うみたいな人が主人公だと、まぶしいなって距離を感じていたんですね。痛快ではあるんですけど。だから、この小説を書く時、特別な才能に恵まれて生まれた子を描くのは止めようというのは、最初にありました。自分も特別なものは何も持ってないから。生まれた時から運命が決まってる訳じゃなくて。みんな最初は何も持っていないんだけど、そこで諦めずに頑張るから、結果が出たりするんですよね。一番伝えたいのは、そうやって一歩一歩積み重ねていくのが、大事なんだということ。すごいシンプルなメッセージですけど。
●「一緒に創作するのって良いな」
――子供だけじゃなく、大人が読んでも響くメッセージだと思います。次は、先日のレビューでも紹介した、声優あるある4コマ同人誌『それが声優!』について聞かせて下さい。そもそも、なぜ同人活動をしてみようと思ったのですか?
あさの アフレコスタジオで、待ち時間に声優の友達が「私、同人誌を出すんだよね」って話をしてて。仲間内でユニットを組んで、いろんなアイデアを出し合ったりして盛り上げてるという話を聞いた時、「うわー楽しそう」って。作家と編集さんの関係とはまた違う形で。自分と並列のところに仲間がいて、一緒に創作するのって良いなと思って、すごく羨ましかったんですよね。