電化製品を買うと、たいがい、電源ケーブルに、針金みたいなものがついている。ケーブルが束ねるために使われている、あれである。


この針金みたいなもの、筆者および筆者家族の間では勝手に「ねじねじ」または「ねじねじするやつ」と呼んでいたのだが、先日、知人と話をしているときに、「ねじねじって便利だよね」と言ってみたところ、中尾彬のマフラーと勘違いされ、困った。

このように、名前が分からないと、地味に困るので、この機会に考えてみたい。

まず、「ねじねじ」だが、一般的には、「ねじらー」という名前で呼ばれるようだ。サンワサプライ株式会社が、「OAねじラー」という商品名で、これを販売しており、これが通称になっているもよう。

しかしながら、「ねじらー」というのは、いかにも商品名っぽい感じであり、相手がこの商品を知らない場合、結局、「あの家電買ったときにケーブルについてる、ねじねじするやつ」と説明しないと、伝わらない可能性もあろうかと思われる。もう少し、きちんとした名前をつけられないだろうか。

手がかりとして、ビックカメラの通販サイトを見ると、この商品は「ケーブルアクセサリー > 結束用」にカテゴライズされている。これに、「ねじねじ」が持つグニャグニャした感じを加えて、「ケーブル結束用フレキシブルワイヤ」というのはどうだろうか。これなら相手が「OAねじラー」を知らなくても伝わりそうだし、名前も「ドズル専用ザク後期型」みたいな感じで、かっこいいではないか。

次に、 「カーペットをコロコロ掃除する、あれ」について考えてみたい。これはもう「コロコロ」でも通じてしまうほどに知名度があるかもしれないが、「コロコロ」は販売会社者の一つであるニトムズ株式会社の登録商標でもあるため、権利侵害にならないよう、一応別の名前も知っておいた方が便利である。

通販サイト、アマゾンでこの商品を検索すると、「粘着カーペットクリーナー」という名前が出てくる。
これでも割と分かりやすいが、コロコロさせるイメージを加えて、「回転式粘着カーペットクリーナー」または「粘着カーペットクリーナーロール」などとするのがよいのではないだろうか。

ホットドックを買ったときなどについている、「2種類のソースが別々の場所に入っており、パキって割ると両方がいっぺんに出てくる、あれ」も気になるところだ。この正式名称は、「ディスペンパック」というのだが、横文字でどうもイメージが湧きにくいので、もっと伝わりやすい名前を考えてみたい。

ディスペンパックについては、販売サイトもないので、ディスペンパックを販売するディスペンパック株式会社が出願している特許を調べてみる。特許は、その製品がどういう役割を持っているか、という基準で名前がつけられていることが多いので、参考になるからである。調べてみたところ、特許においては、ディスペンパックは「分配包装体」と呼ばれているようだ。こちらの方が日本語だし、分かりやすいかと思われる。

最近は、学校給食でもディスペンパックが使われているらしいのだが、クラスメートの小林君の給食にディスペンパックがなかったときは、ぜひ、「先生! 小林君の給食に分配包装体がありません!」と訴えてみよう。知的な感じがして、先生およびクラスメートから一目置かれること間違いなしである。

以上、名前があやふやなものの名前について考えてみたが、まじめに考えるとやはり堅苦しくなるため、「あのー、あれにつかわれてる、あれ」で通じるなら、それが一番ベストなのであった。
(エクソシスト太郎)
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