そう考えると、幼き頃からその辺りの処世術を曲がりなりにも使っていたことがわかる。人付き合いは「本音」と「建前」によって成り立っているのだ。
それをまさに体現する、おもしろアイテムがあるらしい。「株式会社やのまん」が4月20日より発売しているのは、その名も『本音×建前カルタ』。
これはどういう物なのか言うと、まさに「本音」と「建前」の2つの読み方で楽しめるパーティゲーム。カルタには、恋愛や日常生活でありがちな46の場面がセレクトされている。
もっと詳しく説明しようか。要するに一つの言葉に読み札が2種類あるのだ。例えば「へ」では、“彼氏の部屋を念入りに掃除してくれる彼女”という微笑ましいシチュエーションが描かれた。この場合の建前読み札は「部屋掃除 いつもありがと 助かるよ」なのだが、本音読み札の方はスレスレ。
そんな『本音×建前カルタ』を開発したのは、同社に入社してわずか2年目の女子社員。新入社員としての研修を終えて研究開発部門に配属になったばかりのその女子社員は、自身の経験や友人の話などからインスパイアされたストーリーをまとめた企画書を提出。するといきなりその企画は採用され、製品化と相成ったそうだ。
「日常的に使う“本音”と“建前”を面白おかしくテーマにした製品が作れないか? それが開発のきっかけでした。『同じシチュエーションで2通りのことを考えている状況を表すには……カルタしかない!!』と考え、このカルタは生まれました」(企画発案者である女子社員)
しかし、それを形にするのが難しかった。何しろ、46の場面で2種類の読み方である。
「実際に体験談などを多く聞き、本当に共感できる(笑える)ものを採用したのですが、作家さんとイラスト作画もあわせて検討したので、何百と案を出しました」(女子社員)
また、本音と建前のギャップが面白いシチュエーションを頭文字を揃えて46個考え出すことにも苦労したという。
では、前述の「へ」以外にどのような場面が描かれたのか? 少しだけご紹介させていただきたい。
まずは、「あ」におけるシチュエーション。男性が家を出たすぐの場所で、たまたま(?)知人女性と遭遇するという場面なのだが、ここでの女の建前は「あら偶然 こんなところで 会うなんて」。しかし、本音読み札になるとこうだ。
「ふ」では、女性が友人女性から彼氏の相談を受けているシチュエーション。建前読み札では「複雑な 彼氏なんだね 大変だ」なのだが、本音読み札では「ふざけんな 男がいるだけ ましだろが」。ドロドロとした感情がリズム良く読み上げられるのが痛快ではないか。
「す」では、彼女から結婚を詰め寄られている彼氏の心境を表現している。建前は「好きだから 結婚あせらず じっくりと」で、本音では「隙あらば 遊んでおきたい 今のうち」。思わず、この彼氏とじっくりお茶したくなる。
「見どころはズバリ! 本音と建前のギャップです。日頃こんなこと思って生活してませんか? こんなこと、ありませんか? どれも思わず笑ってしまうようなシチュエーションを、コミカルなイラストと一緒に楽しんでもらえればと思っています」(女子社員)
そんな、この『本音×建前カルタ』は全国のホビー・玩具店、家電量販店、または同社のショッピングサイトにて購入することができる。価格は1,575円(税込み)。
建前ばかりで過ごしている日常生活、このカルタを楽しむといつの間にかスッキリしているかもしれません。
(寺西ジャジューカ)