あれは咳がひどく声もガラガラだったときのこと。母に電話でこう言われました。


「風邪をひいたら首にネギを巻くといいって言うけどねぇ」
「首にどうやってネギを巻くの?」 「なんで風邪にいいの?」と聞いても
「おばあちゃんも言っていたわよ~」と、なんとも適当な母。

あいにく家にネギはなく、試すことはできなかったのですが、こうしてなんとなく語り継がれていることって結構ありますよね。

■ 風邪をひいたら首にネギを巻く
とある医学博士によると「食べれば効果があるが、巻いたときに効果があるかは不明」、と。

長ねぎの辛み成分アリシンは血行を促し、疲労回復効果もあり、緑の葉の部分は、カロテンやビタミンCが豊富なので、食べて体内に入れれば風邪に有効のよう。
巻いただけで何か効果が得られるとは考えにくいが、首に巻いた焼きネギの香りが呼吸によって取り込まれ、鼻づまりを緩和することはあるかもしれない、と。

「風邪をひいたら首にネギを巻くといい」は、医学的根拠がないようですが、昔の人はそうやっていろいろ工夫して風邪を治していたのでしょう。

ちなみにネギの巻き方は、5cmくらいに切ったネギをさっとゆで、網で焼いて縦に切り、薄いタオルか手ぬぐいでのどに巻くそうです。

他にも、風邪にまつわるこんな言い伝えがあります。
■1.「白湯に梅干しを入れたものを飲むと風邪に効く」」
■2.「梅干しを入れたお茶でうがいすると風邪をひかない」
■3.「こめかみに梅干しを貼ると頭痛が治る」
いずれも「梅干し」がポイント。

□梅干しの効果・効能
・梅干しに含まれる「クエン酸」には、疲れの原因となる乳酸を抑える働きがある。
・食中毒菌の増殖を抑制する作用(制菌作用)がある。
・梅干しの香り成分ベンズアルデヒドには、痛みを鎮静・軽減する効果がある。

・梅の酸味が体内の消化器官を刺激し食欲を増進させ、消化も助ける、他。
紀州梅効能研究会HPより

これらは科学的に証明されているとのこと。梅干しが身体にいいのは間違いないようです。

それぞれもう少し見てみましょう。
■1.白湯(さゆ)とは、水を沸かしてぬるく冷ましたもの。湯ざまし。
酸っぱい梅干しを取り入れやすくするために白湯に入れたのでしょう。

■2.お茶に含まれるカテキンには、インフルエンザなどのウイルス粘膜感染を阻止する働き、
殺菌作用があるそう。梅干しと一緒にうがいをすれば、効果的な風邪予防になりそうですね。

■3.梅干しが頭痛に効くのは医学的に証明されているけれど、わざわざこめかみに
貼らなくても香りを嗅ぐだけで同じ効果が得られるようです。

昔からの言い伝え、侮ってはいけませんね。
梅干しとお茶のうがいなら、首にネギを巻くよりも手軽にできますね。


ところで、ヨーロッパでは風邪のとき、のどの痛みにはカモミールなどハーブを利用するとか。フランス流卵酒は、赤ワインを温めて砂糖か蜂蜜を入れ、熱しながら溶き卵を加えたものを飲む、イタリアは牛乳に蜂蜜やコニャックなどを入れて飲み、身体を温めるそう。
風邪対策なのに、なんだかオシャレな香りがすると思いませんか?
(エキサイトニュース編集部)
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