一方で、コンシューマーゲーム、いわゆるゲーム専用機のゲームが面白くないかというとそんなことはありません。最近は面白いものが立て続けに出ているんですよ! 特に、PS Vitaで発売されたペルソナ4 ザ・ゴールデン(以下P4G)はインターネットに接続して遊ぶと面白い、大げさに言うと新しいコンシューマーゲームのあり方を予感させるような機能が搭載されていて、めちゃめちゃに面白いのです。
ペルソナ4はもともとPlayStation2で2008年にアトラスから発売されたコンシューマーゲームです。今年はアニメにもなり、詳しいことは、エキレビ内ではたまごまごさんがレビューをしてくれています。アニメの人気もものすごく、映画にもなっていたりします。
そんなペルソナ4ですが、もともとが既にPS3が発売されていたPS2後期と言える時期に出たゲームなので、遊んでいない人も結構いたのです。それが、最新機種であるPS Vitaで、ゴールデンとしてパワーアップしてリメイクされたものが6月14日に発売されたのです。いやー、本当に発売されるのを待っていました。
このゲームがどれぐらいゴールデンにパワーアップしているのか。わかりやすいところでは、新キャラが増えています。新キャラが増えているということは、それだけイベントが増えていることにもなります。
戦闘の演出もパワーアップしました。
さらに言うと、既存のキャラクターにも大幅にイベントが増えていて、それこそ二股以上をかけたときには今までよりももっともっと大変なことになっているという話があります。でも、これらだけではゴールデンと言うのは苦しいでしょう。
じゃあいったいどこがゴールデンなのか。それが、冒頭でも話にあげたインターネット連携だと思うのです。
まず、ペルソナ4は「推理ジュブナイル」です。主人公は舞台である町の中で生活をしながら、殺人事件を解決するのです。ゲーム中は時間が流れていますので、1日に行動できることはそれほど多くありません。さらに、主人公以外も町で生活を送っているため、たとえばAさんに会おうとしたのにその日にはAさんがいつもいる場所にいなかった。なんてこともあるわけです。
そこで、効率良くゲームを進めたい人は功略本を読むでしょう。
P4Gではこの『○月○日は何をした?』をゲーム内で聞くことができるのです。ゲーム内で行動できるときに、画面の隅にある「Voice」ボタンを押しましょう。するとインターネットに接続し、同じシチュエーションで他の人達が何をやったのかが吹き出しの形で出てくるのです。
これを見ると「あれ、Bさんがこの曜日にいるんだ」とか「あ、今日はこういうことができるんだ」というのがわかったりします。もちろん内容のネタばらし的な要素はありませんので安心して使うことができます。感覚としてはTwitterで「今日何したらいいかな〜」とつぶやいたら「あそこへ行くといいよ!」「僕はこっちへ行った」と色んな人からアドバイスをもらう感じでしょうか。
このシステムのために、オンラインモードで遊んでいるときは、何か行動をしたらその情報がインターネットに送られることになります。なので、他の人のためにも、自分のためにも、このゲームはオンライン環境で遊ぶ方が楽しいのです。
インターネットを利用したシステムはもうひとつあります。それが、救援システムです。
ペルソナ4はRPGですから、ダンジョンがあります。そのダンジョンにいるときに、画面の隅にある「SOS」ボタンを押すと救援信号を出すことができます。救援信号を出すと、同じ時にP4Gを遊んでいる人達の画面には「助けて!」といったメッセージと「エールを送る」ボタンが表示されます。ここで「エールを送る」をタッチすると、送られた側は次の戦闘時に声援を受けたことになり、HPとSPが回復するのです。この声援は多ければ多いほど回復する量が多くなります。
なので、ダンジョンに潜っていて強敵と戦い、HPもSPもかなり減ってしまっても、同じゲームを同じ時に遊んでいる人達(これはPS Vitaでのフレンドでなくてもかまいません)から声援をもらい、体力を回復することができるのです。もちろん、自分だけ声援をもらうのではなく、他のプレイヤーの救援要請にはできるだけエールを返しましょう。
エールをもらったら、後で誰からもらったかを確認することができます。なので、うっかりゲームの主人公の名前に本名を入れると、他のプレイヤーのところに自分の本名が表示されちゃうことになります。気にする人は、本名で遊ばない方がいいでしょう。ちなみにアニメの主人公の名前「鳴上悠」で遊んでいる人が多いようでした。
この2つの要素が、まさにゴールデンと言うにふさわしいぐらい楽しいのです。
7月6日には通信機能やバグなどが修正されているアップデートが提供されてますますパワーアップしたP4G。アニメにはまった人も、PS2で遊んだことがある人も、P4Gを遊んで損は無いと言えるでしょう。
(杉村 啓)