日本酒の売上げが下がり調子……とは、もう何年も前から言われている。
各日本酒メーカーでは、その人気低迷に歯止めをかけるべく、日本酒会、酒蔵見学などのイベントを各地で実施しているそうだ。


好きな人は好きだが、苦手な人は苦手、という日本酒。
苦手な理由の一つに“二日酔いになりやすいから”というものがある。
日本酒のアルコール度数は10度以上。なかには20度近くのものまである。
ワインと同等か、それ以上の度数があるにも関わらず口あたりがいいのでスルスル飲む、そうすると翌日は二日酔い……こんなパターンに入り込んでいないだろうか。

それを防ぐため、日本酒造組合さんがおすすめしているのが“和らぎ水”だ。

たとえばウイスキーなどをストレートで飲む場合、チェイサーと呼ばれる水を合間に飲むことがある。
和らぎ水はこれの日本酒バージョンのこと。
京都の酒所、伏見酒造組合さんにお話を伺うと、「だいたい2〜3合にたいして、300ミリから500ミリの水を合間合間に飲むのがおすすめです」という。
量はおよそペットボトル1本分。お酒に弱い人はたくさん飲んだ方がいいそうだ。
その際の水は常温よりも、氷をいれた冷たいものがおすすめ。

日本酒の合間に水をのむことで、一気にお酒を飲んでしまうことを防いでくれる上、冷たい水のおかげで口の中がリセット。次の飲み口が変わるのだそう。

ちなみに一番相性のいい“和らぎ水”は、水道水やミネラルウォーターよりも、その日本酒を作る際に使われる仕込み水。
酒蔵などのある町では、仕込み水を取り扱うお店もあるので、「日本酒を飲むなら、作られている場所まで足を伸ばすのもいいかもしれませんね」という。

和らぎ水とは粋な表現だが、日本酒にはこんな風に素敵な表現がたくさんある。
ひとつ冷やを取ってみても、15度程度なら“涼冷え”、10度の冷酒なら“花冷え”。
そして0度なら、“雪冷え”など。

さらに日本酒に氷を入れて飲む、日本酒ロックにも最近注目が集まっているそうだ。
今年を“日本酒ロック元年”にしようと声をあげ、日本酒メーカー11社が提案。普及活動を行っているこの飲み方。
日本酒に氷を入れることで、飲みやすく、キレも増す。飲み慣れていない人にもおすすめという。


暑くて暑くてたまらない日は、和らぎ水を片手に粋に冷酒を飲みたいところ。
もちろん和らぎ水があるからといって、日本酒を大量に飲めば二日酔いになってしまうのでご注意を。
(のなかなおみ)